さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

2013-01-01から1年間の記事一覧

英語教育研究、2つの「室」

「教室」と「実験室」のどちらに軸足を置くかが難しいよね、という話。(完全に余談だけど、高校時代のゼミで自分は国語を選択して、星新一のショートショートの初出とその後の再録版を比較して、著者の細かな変更を抽出して解釈する、ということをやったこ…

「童貞化」する社会

教育的思考のトレーニング作者: 相馬伸一出版社/メーカー: 東信堂発売日: 2008/09メディア: 単行本この商品を含むブログを見るまだこれを読んでるわけですが、p.143、ヨコの関係に働くピア・プレッシャーに関するところで、 一九七〇年代頃までは、子どもが…

「それはもう恋だよ!」

昨日家庭教師にて。「今日は寝られないんです」 「なんで?」 「友だちと、先に寝ちゃったら相手に500円っていう賭けやってるんです」 「へー。どうやって先に寝たか分かるの?」 「オンラインゲームしながらチャットして、親に寝ろって言われたらメールに切…

今日読み終わった本

スペシャリストによる英語教育の理論と応用作者: 小寺茂明,吉田晴世出版社/メーカー: 松柏社発売日: 2008/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス (光文社新書)作者: 好井裕明出版社/メーカー: 光文社発…

第二言語習得研究からの示唆(『スペシャリストによる英語教育の理論と応用』第5章)

本章は、白畑知彦著です。日本人の英語習得順序に関する表が載ってたのでメモ。 Koike(1983)*1から白畑氏が総合的に判断した順位を示した表です(p.69)。(i)文法形態素 順位 習得順序 教科書S*2 1 進行形(-ing) 連結辞(be) 2 複数形(-s) 冠詞(a/the) 3 属格…

国際英語(『スペシャリストによる英語教育の理論と応用』第2章)

スペシャリストによる英語教育の理論と応用作者: 小寺茂明,吉田晴世出版社/メーカー: 松柏社発売日: 2008/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る読んでます。1日1章読んでこうかなあと。 そして、役に立つなあってところや、ここよくわからないなあ…

日本におけるALTに関する先行研究とその問題点

※本稿は、2013年度夏学期火曜2限「グローバル化と学校教育」の最終レポートとして提出したものです。 ※本文8,600字ちょっとと、わりと長めです。 ※正直グローバルはこじつけで、先生も「修論のためのレビューに結びつけてくれたら」的なことをおっしゃってい…

【ブログ移行しました】

http://d.hatena.ne.jp/thunder0512/ こちらからの移行です。新しいURLは以下のとおりです。 http://thunder0512.hatenablog.com なんかはてなブログのが見た目かっこいいなーと思っていたので、記事数が貯まる前に思い切って移行してしまいました。 RSSリー…

『教育的思考のトレーニング』より

教育的思考のトレーニング作者: 相馬伸一出版社/メーカー: 東信堂発売日: 2008/09メディア: 単行本この商品を含むブログを見る しかし、そう思わない人(引用者注:「教育と制作的行為とは違うから、ある働きかけをすれば必ずあるアウトカムがあるという行動…

H-LABというサマースクールとの関わり

20分でつらつら書いてみようシリーズ。 H-LABというサマースクールがあります。 http://hcji-lab.org 日本の高校生を取り巻く「ボーダー」を取り除く、ということをテーマに、高校生同士、高校生―大学生、高校生―海外の大学生、高校生―社会人とさまざまな交…

LET&全国英語教育学会感想

時間を20分に区切って集中してブログを書いてみるよ!(と言うことで中身のないブログに何か免責できるような。 先週1週間は、学会というものに生まれて初めて参加しました。厳密には初めてじゃないと思うけど、ワークショップに行ってみたり、いろんな部屋…

中高英語教師が自らの実践を公刊することについて―日本語事例と英語事例から―

8/10(土)16:00-17:40に行われたシンポジウムの記録です。 登壇者は、柳瀬陽介(広島大学・コーディネーター)・樫葉みつ子(広島大学・指定討論者)・大塚謙二(北海道壮瞥町立壮瞥中学校・提案者)・坂本南美(兵庫県立大学附属中学校・提案者)の各先生方…

"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.17: How Do You Become a Better English Teacher?

ということで最終章!(本当は昨日まで行っていた全国英語教育学会の感想でも書こうかと思ったけど、とりあえずこっちでお茶を濁す) 先生は教えすぎ、というコンセプトでこの本は書かれたわけですから、先生の一番の仕事は、バランスのよいコースを準備する…

外国語学習の科学〜SLAの知見をいかに英語教育に活かすか(ピッツバーグ大学・白井恭弘先生特別講演)@全国英語教育学会

学会に来ています。北海道に来ています。涼しいです。東京の皆さんこんにちは。 僕は初日に諸々の注意資源を使いきっておりますが、ふり絞ってメモを取ったので、白井先生の講演の議事録を公開したいと思います。 不正確な部分もあるかと思いますし、正確で…

全国英語教育学会年次大会に参加しています

初学会2日目に午前中参加して、一旦帰ってシャワーを浴びて、すぐに札幌へ! 全国英語教育学会年次大会です! ただとりあえずのお目当ては9(金)夜に行われた前夜祭。 普段Twitterでお見かけしていた先生方にお会いできるチャンス!ということで、思い切って…

外国語教育メディア学会(LET)全国研究大会に参加しています

初学会! …厳密には違うっぽいけど、自分から積極的に参加したという意味で初めて。緊張。周りの人同士は知り合いだったりするみたいだし。緊張。 アウェイの空気の中、最初の発表を聞きに。中学教員の方がご発表。カチッとしてる。 その発表の前後に、頑張…

"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.16: How Do You Control a Class?

今日はクラス運営のお話。6ページと短めなのでさくっとまとめておきます。 misbehaviorに対処するよりも、それを未然に防ぐほうがよい。そのためには、(1)good lessons, (2)good relationships, (3)good controlが必要。その下に計10個のrulesがあります。基…

"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.15: How Do You Deal with Teaching Problems?

プラクティカルなタイトルですね!教室で起こる様々な問題にどう対応するか。生徒間の英語力も大きく違っていたり、英語話して欲しい時に日本語話してしまう生徒がいたり、宿題やってこなかったりなどなど、様々な問題に対する解決法を提示している章です。 …

"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.14 How Do You Plan a Language Course?(後編)

こんにちは。名刺を作った!と思ったら専攻名を間違えてしまいました。笑 というわけで後編です。前半では、コースをデザインしていく際の抽象的な話が主でしたが、後半は具体的なシラバスの組み方です。 ◯Syllabus Design いつ何をどうやってどうテストする…

"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.14 How Do You Plan a Language Course?(前編)

今回の章は長いので2回に分けます。本書の中で一番のページ数が割かれています。 ◯Some Basic Ideas About Teaching and Learning 実際のカリキュラムづくりの前に、その背景となるいくつか重要な概念を紹介。 文法項目が学ばれるためには、期間をおいてくり…

"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.13: How Do You Plan a Lesson?

今日は授業案の作成法っぽい。あまちゃんまでの一時間で書き終えたい所存。 くり返し同じ内容を学習したり、同じ題材を別の手法で学習したりするのが効果的。 筆者は、four strandsをコース通して同じくらいの量行うことを推奨しています。 (それに対する批…

2013年度夏学期「ことばの教育と授業」期末レポート

最近ブログ書けてなかったので、苦し紛れ。 江戸時代の寺子屋から始まる日本人の学校体験は、生活に密着したもの(数千種類もの「往来もの」)から離れ、様々に振れつつも徐々に抽象的な「学力」を養成する場となり、同時に学力による選抜が行われる中で、本…

「文学」とは。

ここ数日、授業でも自主ゼミでも勉強会でも「文学」って話が出てきていて、これは一体なんなんだ、と。 まず授業で先生は、「英語を学習する中で文学習わなかった人、いるの?」的なことを仰っていた。 確かに自分は中高の授業で、ポーの「THE BLACK CAT」と…

"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.12: How Do You Test Your Learners?

今週水曜から集中講義「項目応答理論による大規模言語試験の開発・運用・改定」というテスト関連の授業を受けるので!と言いつつ、今回の章とはあんまり関係なさそうw よいテストは、reliable, valid, and practical、とのこと。第一章で「教員の仕事は、pla…

「英語教育、迫り来る破綻—みんなで考え、行動しよう!—」7/14(Sun.)@郁文館夢学園

行ってきました。英語教育、迫り来る破綻作者: 大津由紀雄,江利川春雄,斎藤兆史,鳥飼玖美子出版社/メーカー: ひつじ書房発売日: 2013/07/05メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (11件) を見るこの本は忘れたくせに、PCは持って行っていた…

"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.11: Twenty Additional Techniques for Language Learning

ということで、本書はここで一段落という感じです。4技能を伸ばす20の活動例をご紹介。って、だいぶSpeakingに偏ってるな…。なんだか示唆的。笑 ◯Listening (1) What is it? 教師が何かを説明して、生徒はそれが何かを当てる。未知語の導入にも効果的、との…

”What Should Every EFL Teacher Know?” (Paul Nation) Chap.10: Teaching English for Special Purposes

今回は主に高等教育で専門科目に関連して教えられる英語についてのお話。English for Special/Specific Purposes、略してESP。より広い言葉として、English for Academic Purposes (EAP)がある。 ESPはカリキュラムデザインに係る問題であるが、これに関して…

ゴルゴ13はもっと確率を勉強すべきだ

今日のRの授業は、導入がゴルゴ13の「ミスファイア」でした。「アクシデンタル」というエピソードらしいですが、ターゲットを撃とうとしたゴルゴが、不発弾のために狙撃に失敗する。自分は厳しいチェックシステムを敷いているため、不発弾が起こる可能性は限…

修論構想発表会質問集

No. 対象者No. 研究概要 質問内容 発展的な受け答え ジャンル分け 1 1 ??? 先行研究との違い 先行研究 2 1 ??? 着地点 結論 3 1 ??? 1人の教師に着目すると、短時間でできてよいが、個人の属性に影響うける 他の要因 4 2 大学での経験が、教員にな…

"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.9: How Do You Teach Discourse?

こういう章が立てられていること自体が面白い。 ディスコースとは、テキストがどのような形で提示されるか、構成されるか、その型、的なもので、SpokenとWrittenがある。 ◯Spoken Discourse 単語・構文・構成に違いがある。会話においては、自分の発話はその…