さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

かけ算を増やして

前任校の教え子が、今年高校卒業。卒業文集に寄稿しませんか?ということで、書いてみた。

 みなさん、ご卒業おめでとうございます。あれからもう5年か…と、みなさんのまだあどけない顔を懐かしく思い返しています。高校から入学した人向けに自己紹介すると、私はこの学年の英語を中1の一年間だけ担当し、そのあとK先生にバトンタッチし(良い人にバトンを渡せてよかった!)、今は長野県の幼小中混在校で働いています。
 この学校での6年間ないし3年間、いかがでしたか。私も転職・結婚・出産・転居など、人生の大きな転機を経験しましたが、きっとみなさんの方がずっと、価値観を揺さぶられる激動の時間を過ごしたのではないでしょうか。今日は、大学に進学する頃の自分に伝えたいこと、というイメージで書いてみます。


1.かけ算を増やして
→最近、大学時代のサークルのOB・OG会に参加しました。テーマは「リスキリング」。大人も学び直しに必死です。金になるスキルを!というリスキリングも否定するつもりはないですが、AIに代替されやすそうだし、それよりは「自分の個性にかけ算する」イメージだと楽しみやすいと思います。変わったことをしてみて失敗しても、その失敗はあなたをさらに唯一無二にしてくれるはず。たくさん手を出してみてくださいね。その後に残るものが、あなたの軸になっているかも?
(ちなみにかけ算を増やしていくと、どんどんその人がどういう人か分かりにくくなってくると思います。みなさんは短期的には「この学校を卒業した人」と一面的に括られがちかもしれませんが、その後積み重ねた経験によって、どんどん複雑性が増していきます。ぜひ分かりづら〜いキャリア=轍を形成してください!)


2.「ホワイト社会」に気をつけて
→最近、岡田斗司夫さんの話をよく聞いています。文春対松本人志の争いに見られるように、面白かろうとなんだろうと、汚いことや悪いことをしたら厳しく罰せられるべき!という世の中です。そりゃそうだろうとも思うのですが、今後は「ホワイト社会」が到来し、汚いものや悪いものを徹底的に排除する流れが一般人にも及び、汚い本音や裏アカでのdisりなども、たとえば就活時なんかにチェックされて損してしまうのでは?なんて予測も。怖いですね。だからこそ、本音の付き合いができる同級生をぜひ大事にしてください!


3.「一般意志」を目指して
→最近、歴史を面白く学ぶポッドキャスト「COTEN RADIO」をよく聞いています。「民主主義の歴史」の中で、民主主義下の意志決定においては、個々人の意志の単なる総和である「全体意志」ではなく、共同体のすべての人が同意し、それを通じてすべての人の利益が実現するような「一般意志」を重視すべき、という話がありました。とても難しいことというか、実際には達成し得ない努力目標だとは思います。ですが、みなさんの中からはきっと大きな組織の意志決定に関わる人も出てくると思うので、より善い社会の実現に向けて、こだわり続けてほしいなと願っています。そのためには、たくさんの人に会って、たくさん話をすることだと思います。この学校の「エコーチェンバー」(あるのか?)に閉じこもりませんように!笑


 説教臭いな〜とも思いつつ、最近よく考えていることを述べさせてもらいました。成長したみなさんと、どこかでお会いするのを楽しみにしています。それでは、お元気で。
(最後になりましたが、お祝いの気持ちを示す場を与えてくれたK先生にも、この場を借りて御礼申し上げます!)