"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.7: How Do You Teach Vocabulary?
久々に読んでみた。
単語学習に必要なことは、正しいレベル(頻度・性質[アカデミックかテクニカルか、的な])の単語に、インプット・アウトプット・意識学習(deliberate study)・流暢さ向上練習(fluency development)を通じて出会う機会を提供することが大切、とのこと。
◯What Vocabulary Should Learners Be Focusing On?
単語頻度表。
Vocabulary level | Coverage of text |
---|---|
1st 1,000 | 75.22% |
2nd 1,000 | 8.92% |
3rd 1,000 | 5.32% |
4th 1,000 | 1.71% |
5th 1,000 | 0.97% |
6th 1,000 | 0.64% |
7th 1,000 | 0.44% |
8th 1,000 | 0.33% |
9th 1,000 | 0.24% |
10th 1,000 | 0.18% |
11th to 25th 1,000 | 1.25% |
The rest | 5.42% |
最初の2,000語が"High-frequency words"、次の7,000語が"Mid-frequency words"、それ以下が低頻度語とのことでした。さらにthe restのうち、3.33%が固有名詞だそうで。そりゃそうか。
母語話者は年に1000語程度マスターしていくが、学習者は英語に触れる機会が少ないからそれよりも遅い。ふむふむ。そうした中で、まずは生徒が高頻度語をマスターしているかを知ることが大切。そう言えば日向清人先生がオススメしてるGeneral Service Listも2284語と、かなりこれに近い考え方かもしれないな。
(1)What should learners focus on after they know the first 2,000 words of English?
アカデミックに行くなら570語のAcademic Word Listをマスターしなくてはいけない。AWLは、アカデミックな分野に特化した単語集で、アカデミックな文章の10%ほどをカバーするが、小説の2%ほどしカバーしないらしい。
別にアカデミックに進まないなら、次の7000語の中頻度語を学ぼう。ただAWLは新聞記事の4%もカバーしているから、そういった目的のためにも使える。もちろん中頻度語の中に、AWLのほとんどの単語は出てくるけど。
中頻度語までの9,000語を習得したら、technical texts以外の文章の98%の単語は分かるはずなので、未知語も十分予測可能になっている。
ここまでのまとめ。
Type of Vocabulary | Number of word families | Text coverage | Description |
---|---|---|---|
High-frequency words | 2,000 | 88% including proper nouns etc. | Words that occur very often in all kinds of texts |
Mid-frequency words | 7,000 | 10% | Words that occur in a wide range of texts |
Low-frequency words | 11,000 | 2% | Words that do not occur often in most uses of the language |
Academic vocabulary | 570 | 10% of academic texts | Words that occur very often in a wide range of academic texts |
Technical vocabulary | 2,000 | 20-30% of technical texts | Words that occur most often in specialist texts |
ちなみに低頻度語は数え方によっては100,000語とかにもなりえるが、成人母語話者の平均誤数が2万語程度であるとのことからこうした書き方になっている。
(2)How do we know which words are high-frequency words, academic vocabulary, mid-frequency words, and low-frequency words?
ネット上にそういうのやってくれるプログラムがある。
高頻度語のリストは様々あるが、一番古くからあるのがthe General Service List (by Michael West)だという。おお出てきた!
参考資料に関しては最後にまとめて記載します。
◯How Should Learners Learn Vocabulary?
まず何が何でも高頻度語をマスターさせる。Four Strandsの様々な場面で出会わせる。授業時間内にも教える必要がある。
対して中頻度語は、そんなに出てこないので、授業時間には指導しない。
◯What Vocabulary Strategies Should Learners Use?
(1)THe guessing from contexts strategy
learning through meaning-focused inputのために必要。このストラテジーを取るためには、最適なレベルのreadingを与えることが必要。
(2)The word card strategy
"The most important deliberate vocabulary learning strategy"と紹介されている。最初はクラス内で作らせる。カードの作り方・どう単語をチョイスするか、そしてそれを使ってどう学習するか、を確実に生徒に理解させる。
表面に英単語、裏面に意味をL1で書く。意味をretrieveすることが大切。意味も単語もどちらも同じ面に書かれていてはいけない。まあそりゃそうだよね。
単語カードみたいなものだけど、コツとしては、すぐ答えられたものはそのまま一番後ろに持って行き、だいぶ後になってから復習するようにする。
すぐに答えられなかったものは、単語カードの中程に移動させ、すぐに復習できるようにする。
長い時間を取って集中的に単語を学習させる(massed learning)のは効果的ではない。むしろ、短時間で単語をみて、しばらく経ってからまた思い出す、というほうが効果的(spaced or distributed learning)。
活動から活動に移る時の空き時間を利用して単語を覚えさせるなどの工夫が可能。なるほど!
覚える際に小声でつぶやく・思い出せなくても数秒粘る、などするとよい。
単語カードを批判する人もいるが、正しくない。先ず第一に、研究によればこれは効果的な方法であるし、translationでは正しく意味が取れない、という批判は、辞書・写真・デモンストレーション・実物を見せる・その言語で説明するなどなどの、他のどんな手段に関しても適用できる。場合によって使い分けることが大切。
もし疑うなら、著者のHPにあるsurvival vocabulary(生活に必須な語彙を色々な言語で集めたもの)を試すといい、とのこと。
授業内で時間を取って覚えさせ、ペア等で確認させる。また、なぜその方法で、なぜその語彙を学ぶのか、というのも、生徒の年齢が十分であれば教えたほうがモチベーション向上につながる、とのこと。
(3)The word parts and dictionary use strategies
a The word parts strategy
接頭辞・接尾辞など。単語の意味を推測する際ではなく、単語を覚える際に使わせる。
b The dictionary use strategy
辞書を引いて、ある語の全ての意味に共通する部分を見つけ出す。例文等を活用し、mental pictureを描く。また、関連語も一度にみられるのが利点である。
◯What Vocabulary Teaching Should a Teacher Do?
10教えても3か4しか身につかない。時間がかかる。教えることではなく、学習者に自分で単語学習に向かわせるようにするのが目的。
◯資料
Test Your Vocabulary Online With VocabularySize.com – Free tools to measure your students' word knowledge
Paul Nation - School of Linguistics and Applied Language Studies - Victoria University of Wellington内、「Vocabulary Resource Booklet」。他にも、単語テストも載っている。
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