経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書)
- 作者: 大竹文雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/12
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- 作者: 大竹文雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/03
- メディア: 新書
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最近読み終わりました(トイレ読書)。
どちらも大竹文雄さんのエッセイを元にしたもので、短く分かれているのでトイレの中でバラバラに読んでもそこまで混乱しません。トイレの中でも外でもおすすめです。笑
具体的なトピックに関して、具体的な論文を引きながら「経済学者はどう考えているか」を丁寧に示していて、経済学の概説書っていうわけではない気がしたけど、経済学的なにおいがして面白かったです。
後者の『競争と公平感』の中で、「グローバル化」に触れた部分があったので、メモ。
日本の貧困率が上昇している原因の一つが、グローバル化だとすれば、貿易を制限してグローバル化を阻止すればいいのではないか、という意見もあるだろう。グローバル化が、格差を拡大する原因であることは確かだと考えられる。しかし、グローバル化による貿易の拡大に寄って日本人全体は豊かになっているのも事実である。
中国から衣料品が輸入されるようになるまでは、衣料品や食品の値段はとても高かった。牛肉が外国から輸入されるようになるまでは、牛肉の値段は非常に高かった。どの国も貿易をしなくなれば、日本も自動車や電機製品を輸出できなくなる。貿易によってそれぞれの国が自分の一番得意なものに集中することができるので、すべてのものを自分の国で作っていた時よりも豊かになれるのである。
貿易の拡大によって、日本のなかで以前よりも貧しくなる人が出てくることは事実だろう。その結果、日本国内の格差が拡大するかもしれないが、豊かな人から貧しい人に所得を移転すれば、貿易をしなかった時よりも日本人は全員豊かになれる。
また、グローバル化の阻止には、世界の貧困問題を深刻にするという問題もある。世界には日本よりもっと貧しい国がたくさんある。そうした国が安い労働力を武器にして、安い製品や農作物を日本のような豊かな先進国に売って、以前より豊かになってきている。
日本がグローバル化をやめて、そうした国々から農作物や製品を買わなくなると、日本も貧しくなるが、もともと貧しかった国はさらに貧しくなる。世界の貧困を解決するためには、貿易を拡大していくことが重要である。日本の格差や貧困問題が貿易によって拡大するという側面があっても、それは日本国内の社会保障制度や教育で解決すべきものではないだろうか。(pp.142-143)
そうだよなあグローバル化の功罪の罪の部分だけみるのもなあ、とふんふん読み進めてたら、最後の行に「教育」って出てきて「!!」ってなった。そうですよ教育は大事なんですよ。
「社会保障制度」によって「豊かな人から貧しい人に所得を移転」して、「教育」によって、そもそもの豊かになるチャンスを平等に全員に与えましょう、ってことなんだと思うけど、なんとも難しいそうね。
最近手に入れた学力幻想 (ちくま新書)も読んでいこう(Amazonでは「衒学的だ」と叩かれてるけど、どうなんだろう。序章しか読んでいないけど、「結論を先取れば」的な表現が何度もくり返されてて若干クセのある文章っぽい)。
ちなみに次のトイレ読書はこいつになってます。軽く読めそうでいいですね。
- 作者: 森下伸也,宮本孝二,君塚大学
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 1998/03/25
- メディア: 単行本
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修論構想発表も終えて一息つこうと思ったらもうすぐ授業が始まるのね…。
なんかちゃんと勉強できた気があんまりしないけど、うーんまあこんなものなのかなあ。
二学期は英語塾で働き始めたり翻訳やってみたり授業も単位揃えるべくそこそこ取ったりと、忙しくなりそうね!