さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

「トビタテ!留学JAPAN」シンポジウム感想とHLAB卒業式

行ってきました。大きい荷物ダメって言われてたから手ぶらで行ったのに案外荷物持ってる人多かったよね。でもスーツで手ぶらはなんだか新鮮だった。笑

って感じでした。文部科学省の取組紹介が一番聞きたくて行ったら、わりとそこで全て終わってる感があった。笑
以下メモ。

現在日本は58,000人くらいしか留学していない。減っているのは日本くらい(2004年の83,000が日本のピーク)。
アメリカに留学する人も減っている。「憂慮」しているとのこと。
企業からの要求もある。産業能率大による新入社員のグローバル意識調査によれば、海外で働いてもよいという新入社員の割合が減ってきているとのこと。

なぜ留学する日本人が減っているかとその対策。

  • 留年する可能性
    • 企業の見方も変わってきている(就活時期も後ろに)
  • 英語教育の問題
    • ヒー
  • 大学のサポート

2020年までの目標として…
留学する大学生を6万人から12万人に!
留学する高校生を3万人から6万人に!
カルコン教育タスクフォース(日米間の教育交流を進めるためのタスクフォース。参考:同報告書)によれば、
日本→アメリカへの留学生を2万人から4万人に!
アメリカ→日本への留学生を0.6万人から1.2万人に!
とのことです(いかにアメリカとの強いパイプの上に成り立っている事業か分かる)。

文科省の取組として、
スーパーグローバルハイスクール(参考:平成26年度スーパーグローバルハイスクールの指定について(平成26年3月28日):文部科学省
「トビタテ!留学JAPAN」をはじめとして、官民連携でのプロジェクト。国費のみならず、民間からもお金もらってる。

全然内容関係ないけど、「留学に挑戦する」的な話の時に英語の同時通訳を聴いてたら、 "take up major challenge"と言われてて、こういうコロケーションがあるのかあと勉強になった。


ここら辺まではファクトベースでの話だったけど、その後のゲストスピーチ(私がいかにして留学に挑戦して最終的にミスユニバースにまでなったか)とかトークセッションとかは正直どうでもいいなあって感じだった。
あれを聞いて「僕も/私も、留学に挑戦しよ!!」って思う人がどれだけいるのか。(あの場にいる人は元々留学する気満々な感じだったので、別に誰が何を言おうが、って感じである)

何よりビミョウだったのが、トークセッション中、留学経験者の学生の話、みたいなとこで、
「日本の大学では討論する力がまったくつきませんでした。でも海外に出てみて自分から発言する積極性を学び、国連でのインターンでも活かせました!」みたいな、ああきっと就活でこんな話してんだろーね的な話。
海外に行くのは自由にしてもらえばいいし、そこでしか得られないものもきっとたくさんあるのだろうけど、日本の教育を下に見て(、というかなんなら全否定して)行くのは非常に残念なことだと思う。
そもそも日本には討論の場がないってこと自体誤りだと思うしね。冷静に考えて、少人数で議論しまくるゼミ、どの大学にもあるでしょ。
「私の周りには留学にtryする人が少ないんですけど」みたいな質問をケネディさんにした時も、"You gonna show the way."ってとこまでは「そうだそうだ『周りの意識ガー』みたいなのは要らねえぞ!」と思って聞いてたものの、俺の聞き違いでなければその後に"what's good about the US and what's bad about Japan"を確かめてみて、みたいに言ってて「えー」って思ったのは覚えている。

もちろん、倍増するためにはアイドルとか使って「留学ってクール!手軽に行けるしなんかお得!」みたいな機運を盛り上げなくちゃいけないのは分かる。分かるけど、日本の文科省大臣までが日本の教育の擁護をまったくしないというのは、やっぱりなんかおかしいように感じた。そういう「自虐教育観」で海外に出る人を増やすことが、本当に日本のためになるのか、と強く思う*1

自分は海外に行ったことないからその辺りのコンプレックスはあると思うけど、でも今つき合ってる人たち(非常に偏った層だけど)をみた感じ、「日本人の国際意識」に問題を感じたことはない*2し、そもそも「周りの人はあんまり留学とかしないんですよね(私はその重要性に気づいてるからするけど)」って発言自体、すげーミサワっぽい。

うーん書けば書くほど、「それってヌルい状況に安住してる貴方の言い逃れですよね?」みたいな自己ツッコミが入る。確かに俺の部屋の快適さは世界史上類を見ないほどで、その意味では「ヌルい」と言えるかもしれない。
ただこの場所でやりたいことがある人が海外行く必要あるのか、とは思う。

と書いて気づいたけど、きっと国内でやりたいことが見つからない人が留学行って見つけるケースってのが多いんだろうなあ。国内←→留学と、やりたいこと見つかってる←→見つかってないでクロスさせたら、どこが多くなるんだろう。

やりたいこと見つかってる 見つかってない 行集計
国内 少ない 多い
留学 多い 少ない

的な感じなのかしら。ほらやっぱとりあえず海外行かせればいいんだよ!みたいな話か。んでも「海外×見つかってる」の層は、「留学に行ったから見つかった」のか「見つかったから行ったのか」を冷静に見極めないと、とりあえず海外行かせることの意味は薄いかもなあと思ったり。


とりまJKT48の人たちがとても可愛くて、眼鏡を持って行かなかったことを激しく後悔した。


さて、その足でHLABサマースクール卒業式。
2011年高1生・2012年高2生・2013年高3生辺りが集結していました。頼もしいなあ。

ここから先はあの場では言えなかった送辞みたいなものを。

あのサマースクールは、Liberal Arts beyond Bordersという理念は根底にありつつ、基本的には「自分たちが『高校生の頃こんなのあったら参加したかった!』と思うサマースクールを」という意識で作ってたように思う。
だからこそ、そんな「特別」なサマースクールに参加した君たちが「普通」になっていくことを、つまりそのサマースクールを経験していない人たちと同じような大学生活を送ることを、なんだかさみしく恐ろしく思っている。
より絞って言えば、その大学を選んだ理由が、きっと君たちにはしっかりあるはず。それは当時の僕とは決定的に違うところだと思う。僕はそれなりに大学生活を楽しんで、今の状況をよいものだと思っているけど、最初から強いどうき(動機&同期。うまい!)を持っているのだから、なにとぞmake a differenceしてほしいわけです。
別に僕の目からどう見えるかは一切気にしなくていい。だからなんか「スゴい感じの」活動をしなくちゃってわけでは全然ない(別にしてもいいし、実際する人は多いんじゃないかとは思ってるけど)。
ただ、余計なお世話1000%を承知で言えば、何をしていても「あなたはきっと平均的な大学生よりちょっと選択的にその場所を選んだんじゃないの」という冷静な視線が、どこかから降り注がれていることを一応知っておいて欲しいなと思うわけです。
誰がさみしく思おうが恐ろしく思おうが、一切気にする必要もないのだけど。
お元気で。

こういう「平均への回帰」をうまく受け入れることが、「教育者」には必要なんだろうなあ。笑

うげ、グダグダ書いたら1時間くらい経ってる。この辺で!!
そうそう、今日は高校同期とフットサルからの焼き肉@銀座である。どっちも銀座って辺りが、時の流れを感じるねえ。。笑

*1:ただ日本の教育で改善すべきところはしっかりしていく姿勢ももちろん大切で、とても難しいところだとも思う

*2:めちゃめちゃ色んな国に行ってる友だちが「英語は世界の全ての国で通じる」とか言っててちょっと驚いたし、言語的多様性(国際意識の重要な一部じゃないかと思う)は海外に行けばつくわけでもないんだろうなあと。