さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

習慣づくりについて−『Atomic Habits』から−

 よく聞くPodcastに、"Atomic Habits"の著者James Clearが立て続けに登場した。

 ということで、原著の要約を読んでみた*1

内容のまとめ

習慣のループとは?

「①きっかけ(cue)→②欲求(craving)→③行動(response)→④報酬(reward)」
 何かしらのきっかけがあって、何らかの欲求が喚起され、ある行動を取り、そこからなんらかの報酬を得る。

PROBLEM PHASE SOLUTION PHASE
1. Cue 2. Craving 3. Response 4. Reward
メールを返信している。 仕事にストレスを感じ、圧倒され始める。自分のコントロールを取り戻したいと感じる。 爪を噛む。 ストレスを減らしたいという欲求を満たす。爪を噛むことがメールの返信と結びつくようになる。
目が覚める。 頭をシャキッとさせたい。 コーヒーを飲む シャキッとしたいという欲求を満たす。コーヒーを飲むことが目覚めと結びつくようになる。
仕事のプロジェクトでつまずきを感じている。 行き詰まりを感じ、イライラを解消したい。 スマホを開いてソーシャルメディアをチェックする。 ホッとしたいという欲求を満たす。ソーシャルメディアをチェックすることが、仕事に行き詰まりを感じることと結びつくようになる。

How To Start New Habits That Actually Stickより。)

※cravingがあっても、モチベ的/能力的に足りなければ、具体的なresponseは起こらない。
※cueはrewardの存在に気づくこと、cravingはrewardを求めること、responseはrewardを得ること、とも言い換えられている*2

ある(望ましい)行動を取るために…

①きっかけを「わかりやすく(obvious)」、
②欲求を「魅力的に(attractive)」、
③行動を「簡単に(easy)」する。

次もその行動を取るために…

④報酬を「満足できるもの(satisfying)」にする*3

 上記4つのステップをよりよいものにするためのtipsを、以下にメモ。

①きっかけを、わかりやすく。
  • 現在の習慣を書き出し、=-+で評価する。そこに新たな習慣を紐付ける。
    • 例)「起床=」「アラームを止める=」「スマホを見る-」「シャワーを浴びる+」
  • 「いつ」「どこで」「何を」する、を明確にする
    • 例)仕事から帰ってきて靴を脱いだら、そのまま運動着に着替える
  • 望ましい習慣のきっかけを、はっきり見えるようにする
    • 例)目覚ましアラームをストレッチの音声にして、起きたらすぐストレッチする*4
②欲求を、魅力的に。
  • 誘惑の抱き合せ(temptation bundling):ついやりたくなってしまうことに、望ましい習慣を組み合わせる
    • 例)ネットフリックスを見るためには、エアロバイクを漕がないといけない
  • その行動をするのが当たり前、という人たちと交わるようにする
  • ネガティブな表現でなく、ポジティブな表現に言い換える
    • 例)英語を学ばなきゃ…→英語会議に前向きに参加できる自分に近づく/課題に前向きに取り組む自分であり続ける
③行動を、簡単に。
  • 抵抗となるものを減らす。「行動」を起こす(✗計画を考える)
  • 習慣は、高速道路の入り口。数秒の習慣が、そのあと数十分〜数時間を決める
  • 習慣を、2分以内にできるものから始める
④報酬を、満足できるものに。
  • 報酬を、見えやすい、満足できるものにする。
    • 例)習慣トラッカー、自分にご褒美

※まとめを読むかぎりは、この部分の記述が薄い感じだった。満足いく報酬を得るために、何ができるかな?特に、英語学習のように、その瞬間に達成感が得られるとは限らないものに関して。

習慣づくりは、なんのため?

 具体的な目標を立てること、その達成のためのステップを細分化して日々の習慣に組み込むこと。
 そのどちらもがとても大切だけれど、それよりも、その目標を達成しようと行動する自分は、どんな人間なのか、どんな人間でありたいのか。そうした、アイデンティティにまつわる部分を考えるのが大切、という話がもっとも腑に落ちた。
 カンニングをする子に対して、Don't cheat!よりも、Don't be a cheater!と言う方が刺さる、というような話も、ポッドキャストのどこかで出ていたっけ*5
 英語学習するこの一日で、英語力が目に見えて上がるわけではないけれど、「毎日目標に向けて努力できる自分」に向けて一票を投じている、という考え方は、わりと自分の性にも合っている気がしている。


 ということで、自分の英語コーチングでも、早速導入してみた。反応はいい感じだった気がする。その人が英語学習を通じてどんな人になりたいのか、というところまで、一緒に考えていける人になれたらいいな。ということで、最後にしれっと宣伝。

 英語ができたら、なんか人生いい感じになる気がするんだよな〜と感じる人は、ぜひお声かけくださいませ!
www.notion.so

*1:一応原著も買っている。あとは読むだけ!笑

*2:How To Start New Habits That Actually Stick

*3:ちなみに、悪癖を断つためには、この逆を行う。きっかけを「わかりづらく」、欲求を「魅力的でないものに」、行動を「難しいもの」として、報酬を「満足できないもの」にしてしまう。

*4:これはぼくの例。今のところうまくいっている。

*5:これ、けっこう訳しづらい。行為をとがめるのではなくて、そんな行為をしてしまう人間になるな、ということだけれど