さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

中身の無いプレゼンと仮定法の話

今週扱った教材と、ホントなら扱いたかった文法の話。

中2の授業で、スピーチについて扱っている。普段は多読をしている授業で、評価も特になし、カバーすべき教科書も特になしということで、個々の教員が大枠の中でやりたいことをやるという感じになっている。
今回のスピーチ授業の「大枠」は、先の長期休暇中に出した課題があるということ。この課題は、生徒一人ひとりが好きなスピーチをみて、それについて短いスピーチを書くというものだった。最後はなんとかこの辺りにつなげたいなと思う。
とはいえ、個人個人がバラバラにスピーチをみてきたということで、扱い方が難しい。あまり内容に偏ると、すでに見た生徒と見ていない生徒で差が激しいだろうし、とはいえ生徒がみてきたスピーチをまったく扱わずに新しいスピーチばかりを扱うのもおかしな気もする。

という状況で、さあどうしようと思った時に、とりあえず導入としてこれが使えるのではないか、と思った。

ウィル・スティーヴン 「頭良さそうにTED風プレゼンをする方法」 - YouTube
少し前にSNS上でも盛んにみたが、このプレゼン、まったく中身がないのだ。それなのに、それっぽく見える。これなら、生徒はあまり話の内容に集中せずに(普通なら「この人の伝えたいメッセージはなんだろう」的なことに意識を向ける必要がある)、プレゼンの技法的なものを学べるのではないか、と。
日本語字幕付きで見せてみたところ、非常にウケがよかった。(ふだんあんなに反抗的だったり無気力なのにな…。笑)
さらに2回みてから、周りの人とそこから学んだtipsをシェアさせ、教室全体に発表させたら、ある女の子が、「スピーチに…………ためをつくる!!」と面白く回答してくれたり*1、連続性だ問いかけだメガネだ(笑)データだと、様々なことに気づいてくれたようだ。
次回以降は、各自が作ってきたミニスピーチを、そういう観点からブラッシュアップしてプレゼンしてもらえたらなと思う。

ビデオを流しながら、ビデオの中の観客と生徒たちとで笑うところにずれがあったのでメモ。
◯生徒は笑ったけど観客は笑わなかったところ
・でたらめを言うところ(4'16''~)
→おそらく大人相手だと伝わりづらいボケなのかもしれない。生徒は音の面白さとか和訳で笑っていたみたい。
◯観客は笑ったけど生徒は笑わなかったところ
・You guys gonna make an "aw" sound.のくだり(1'38''~)
→これは文化の違いというか、生徒たちは何をしているのかいまいちパッと捉えられなかったのかもしれない。
・And what if I was?(5'21'')
→これが今回問題にしたかったところで、仮定法だよね。直前は、"I'm going to make it seem like I'm building to a moment!"
字幕は「あたかもドラマティックな展開があるかのように」ときて、「もしそうだったらどうします?」
うん、これでは笑えない。というか、こっから「本当はこういう意味があったんですよ!(ドン!)」って展開も、この日本語では、あり得てしまう。
英語なら、「現実に反する仮定」、すなわち「本当はそういう展開が用意されていない」というのを暗に示せているから、観客も笑えたんだろうなと。
彼らがすでに仮定法を終えていれば、そういう話もできたかもしれないけど、とりあえず中2ですから、まだ先のお話。

自動車学校が3月頭からしか乗れないとかで、かなり暇になってしまった。来週、どうしよう。笑

*1:余談だけど、こういう積極的にボケる生徒、男子でも欲しいよなと思う。笑