そして今朝早速ダウンロードして、車の中でイヤホンしながら聴いて通勤した。
…号泣。ヤバいヤバい。いろんな情緒が混乱して焦った。
楽曲の幅広さ。
昭仁さんのヴォーカリストとしての円熟。
晴一さんの詞の力。
一曲一曲から、いろんなモノが押し寄せてきて、大変だった。
絶対ブログかなんかに残しておかなくちゃ、と心に決め、涙をぬぐいながら出勤したのでした。
間違いなく「最新作にして最高傑作」になるにちがいないこのアルバムの、楽曲を紹介。
(おそろしいのは、↓のインタビューで昭仁さんが「すごく自然体で作れたアルバム」と語っていること。自然体でこれって…!!)
natalie.mu
- 暁(作詞: 新藤晴一作曲: 岡野昭仁, tasuku 編曲: tasuku, PORNOGRAFFITTI)
- カメレオン・レンズ(作詞・作曲: 新藤晴一 編曲: 篤志, PORNOGRAFFITTI)
- テーマソング(作詞: 新藤晴一作曲: 岡野昭仁 編曲: 立崎優介, 田中ユウスケ, PORNOGRAFFITTI)
- 悪霊少女(作詞・作曲: 新藤晴一 編曲: 江口 亮, PORNOGRAFFITTIStrings Arrangement: 江口 亮, 友野美里)
- Zombies are standing out(作詞: 新藤晴一作曲: 岡野昭仁 編曲: tasuku, PORNOGRAFFITTI)
- ナンバー(作詞: 新藤晴一作曲: 岡野昭仁 編曲: トオミヨウ, PORNOGRAFFITTI)
- バトロワ・ゲームズ(作詞: 新藤晴一作曲: 岡野昭仁, トオミヨウ 編曲: トオミヨウ, PORNOGRAFFITTI)
- メビウス(作詞: 新藤晴一作曲: 岡野昭仁 編曲: tasuku, PORNOGRAFFITTI)
- You are my Queen(作詞・作曲: 新藤晴一 編曲: tasuku, PORNOGRAFFITTI)
- フラワー(作詞: 新藤晴一作曲: 岡野昭仁 編曲: 篤志, PORNOGRAFFITTI)
- ブレス(作詞: 新藤晴一作曲: 岡野昭仁 編曲: tasuku, PORNOGRAFFITTI)
- クラウド(作詞・作曲: 新藤晴一 編曲: 宗本康兵, PORNOGRAFFITTI)
- ジルダ(作詞: 新藤晴一作曲: 岡野昭仁 編曲: tasuku, PORNOGRAFFITTI)
- 証言(作詞: 新藤晴一作曲: 岡野昭仁 編曲: 江口 亮, PORNOGRAFFITTIStrings Arrangement: 江口 亮, 友野美里)
- VS(作詞・作曲: 新藤晴一 編曲: 近藤隆史, 田中ユウスケ, PORNOGRAFFITTI)
作詞がすべて晴一さんというところに、「わしゃ歌う!」という昭仁さんの心意気が表れているよね。
↑のインタビューによると、「たまたま既発曲のすべてを新藤が作詞していたので、その流れでいってみたらどうかっていう話になっ」ただけみたいだけど、なんか覚悟を勝手に読み取ってしまう。
そうそう。正直に言うと、これまでの期間は、DISPATCHERSでの活躍や、KingGnu井口さんとのコラボはじめ、昭仁さんのソロ活動が目立った期間かなと思っていた。
ただ、この後にも書いていくけど、晴一さんがその期間にこんなにも大きな仕事をしていたのね…と心底感動したのです。
ポルノについてきてよかったなと、心から思えて、そこが一番泣けた。
ということで、泣けるポイントを勝手に解説。
①暁
晴一さん、作詞がんばったよ!
「赤月→容易い→あらすじ」
「反転〜思考→論点〜解答→安全〜敗北」
「世界→女神→(競り)合い」
「振りかざす→食い下がる→同時多発」この辺ヤバいよね。
「共犯者→乱反射」ここもスゴい!
サビの「捧げるがごと・く」みたいな譜割りも、独特のリズム感を出して、詞が言葉であり音である感じがとっても良い。泣ける。
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②カメレオン・レンズ
「不吉な声でカラスが鳴いた あれは僕が君の空に放した 青い鳥なのかもしれないね」ってよくよく考えると意味わからん歌詞だよね。泣ける。
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③テーマソング
泣ける。「今 その胸は震えているか?」泣ける。
こういうのが刺さるライフステージになってきたんだな、ということもメタに見て、泣ける。
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④悪霊少女
ホンットに良かった。歌詞カード見る前に聴いて本当に。
以下実際重大なネタバレなので、ぜひ一聴してほしい。
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…ね。あそこスゴいよね。
そう、「それこそが恋だとはまだ知らなかった」ね。
その前では「悪霊が憑いた」とされる痛みの話をしているわけ。それが実は少女の恋の歌だと知った時の衝撃たるや。この曲の印象が一変する。晴一さんの詞の力を思い知って、ここ車の中でおもくそ泣いた。
あともう一つこの曲の好きなところは、「♪暗黒の館には決して〜」のあたりを注意深く聴いていただきたいんですが、ほら、昭仁さんがライブでノリノリで歌いそうな感じするでしょ。いや〜この曲は化けるよね。全曲化けるか。化かしてくれ頼む。
⑤Zombies are standing out
イントロで泣ける。
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と言いつつアコースティック弾き語りバージョンを紹介。5分10秒あたりから。
⑥ナンバー
これ。
もうずっと好きな曲で、なんといっても歌詞がいい。数字という概念を失う、っていうのがなんとも詩的で好みなのです。
「17thライブサーキット "続・ポルノグラフィティ"」の音源をずーっと聴いていたわけです。洗濯物干す時の定番曲。
それがですね、このたびですね、大進化を遂げているわけ。ちょっと仮詞と比べてみよう*1。
仮詞 | 本歌詞 |
---|---|
(同右) | 水車小屋で微睡む猫 |
(同右) | 小川を越え 僕は歩く |
(同右) | 草笛の音 蜜蜂のペアダンス |
(同右) | 悪戯なキツネが数字を盗む |
(同右) | 「そんなもの置いてゆけ」 |
こうして僕は見失った 日付だとか 時間だとか | ジェリービーンズ 溶かしたように 目に映ったものが歪む |
(同右) | 君の住む街の番地さえ不思議な模様に |
けれど花は咲くのだろう 熊は春に目覚めるだろう | ここはかつて通り過ぎた シルシとして残る田園 |
数えるのではなく満ちるの待っているの | 残像追いかけて奇妙なステップ Shall we dance? |
(同右) | 僕は蝶の視点を借り |
(同右) | 芦毛の背にとまっている |
(同右) | 彼が走り 麦が揺れ 波打つ |
(同右) | 腹ペコなウサギが数字を食って |
(同右) | 赤い目で泣いている |
ここはかつて通り過ぎた シルシとして残る田園 | いつもよりも遠出をして 帰り道を見失った |
まだ何も知らずにいれた僕の残像 | あの日から寂しい夜を数えた You were mine |
いつものように遠出をして 帰り道が消えてしまい | けれど花は雪を割って 熊はすぐに目覚めるだろう |
あの日から寂しい夜を数え続ける | 数えるのではなく満ちるが合図 Everyone knows |
(同右) | 蟻が冬に備える頃 すぐに鳥も旅立つだろう |
数えるのではなく欠けるの知っているの | 数えるのではなく欠けるが合図 Life goes on |
どうよ。まず「ジェリービーンズ」で号泣ね。ここでそれ持ってきたか〜!「日付だとか時間だとか」も好きだったけど、よりビジュアル。
最後の部分ととのっていない感じが仮詞にはあったけど、さすが、「満ちるが合図」「欠けるが合図」とそろえてきた。Life goes onで終わるのもオシャレ。
花は咲くのだろう→花は雪を割って
熊は春に目覚めるだろう→熊はすぐに目覚めるだろう
などの変更もきいているね。
ただ一点。耳コピ段階では「残像追いかけて奇妙なステップ Shall we dance?」を、「残像追いかけて昨日がステップ Shall we dance?」だと思ってたんだよね。こっちのが良くない?笑*2
詞にばかり言及しちゃったけど、昭仁さんの歌い方もいいのよ。テンポ自体もライブ初披露時より遅いのかもだけど、それよりもゆったりした歌い方にしているのが、この歌にとっても合っている。いいなあ。最後のギターの「ジャーン」も良き。
ということで、大好きなこの曲を、歌詞カード見ずに、「こ、この先どんな歌詞が来るんだ…!?」とドキドキしながら聴けたのは、本当に本当に幸せなことだった。
⑦バトロワ・ゲーム
歌詞ww さすがに「Head Shot」だと思うっしょ。歌詞自体が「ヘッショ」ってww
「丸腰で置き去り」の入りのオシャンティな感じ、いい。今風。
⑧メビウス
これもライブで仮詞段階で公開されていた。ただナンバーの方にハマっていたので、こちらは軽めに。
仮詞 | 本歌詞 |
---|---|
Wasted Love | わかってんだ |
やさしくほどけば | ほどいてしまえば |
そのくせなんども なまえをほしがり | そのくせなまえが ほしいといじけて |
もう とじてしまってもいいの | もう とじてしまってもいいよ |
えいえんとは かくなるもの | えいえんとはこういうこと? |
「チャイムがなっている うちにかえらなくちゃ」は、「チャイムが鳴っている内に帰らなくちゃ」なのか、「チャイムが鳴っている 家に帰らなくちゃ」なのか。前者だったら、『かがみの孤城』みがあるかも。
⑨You are my Queen
「ウェンディの薄い文字」のように、晴一さんがライブでたどたどしく披露する未来が見えた。泣ける。
⑩フラワー
「ナンバー」では「雪を割って」出てくる花が、ここでは「氷を割って 新しい景色に出あう」。この対比も素敵だなー。泣ける。
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たしかこちらは三浦春馬の自死直後にアップされたのだっけ。泣ける。
⑪ブレス
晴一詞の真髄が詰まった一曲。
大サビ以降が特に。
少年には遠回りする時間が与えられ
老人には近道を知る知恵が授けられて
どちらかを笑うことなかれ 羨むことなかれ
それぞれの道がある 誰も君の道は行けないメロディは音符と休符が作る ブレスのできない歌は誰も唄えやしない
晴れた日も雨の日もあるように 朝と夜が今日も巡ってくように
出会いとさよなら繰り返す 旅人のように
最後の部分は、「愛が呼ぶほうへ」の「花が空に伸びゆくように 海を越える旅人のように」とのそこはかとないつながりを感じてこれも泣ける。
いやー本当にいい歌詞。泣ける。
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昭仁さん晴一さんのいいパパっぷりも伺えて、ほっこり泣ける。
⑫クラウド
一番では、思い出の写真やプレイリストが「今じゃ遠いお空のクラウドに残るだけ」と言う一方で、二番では時間や幸福感が「それは遠いお空のクラウドにもないけど」というのがテクいよねー。泣ける。
⑬ジルダ
歌詞としては陳腐だなーと思うけど、「それなら君はジルダさ 夢中にさせたいよ」という歌詞には、自分も妻を夢中にさせられたらいいよなーと共感して泣けた。
⑭証言
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まだそれほどハマっていない。「Can you see in the light are the things that you value the most in this world」は英文としては間違っている気がするゾ。「are」が不要。
⑮VS
これもそのうちドンピシャハマる日が来るんだろうなーと思って泣けた。
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ということで長々書いてきたけれど、やはり自分としては「悪霊少女」「ナンバー」が圧倒的だったかなー。どうりで行きの車の中でガン泣きしたわけだ。
最初に紹介したインタビューで「ファンの方たちが、『お、ポルノがこんなことやってくれたぞ』みたいに喜んでくれるであろうアルバムを作ることを指針にしていた」と昭仁さんが語っていたけど、まさに、まさに。
めちゃめちゃ情緒を揺さぶられて自分でもビックリしたのだけれど、「あぁ、自分にもこうして『こんなに好きだ!』という感情があるんだな」ということを再確認できたのはとっても良かった。ポルノグラフィティに20年以上ついてきて、良かった!