さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

COTEN RADIO #232 より

COTEN RADIOで,最近のエピソード,武則天編を聞いていた。彼女の栄枯盛衰の物語はとても興味深かったのだけど,一番印象的だったのは,その最終回のアフタートーク。27分30秒くらいから。

www.youtube.com

その前には,その場その場で最適と思われる判断をしても,その先の衰退は止められなかったし,逆にその時の何気ない変化が,後々とても大切なものになることもある,という歴史の実例から,「今の日本の政治も,何が正しいか,どういう基準で決めていいかわからない」と樋口さん。あー,わかるわかる,と思いながら聞いていた。でもこれって「何が正しいかなんて,わからないよね」というニヒリズムに陥りがちで,行動不能にもつながっちゃうよな,と常々思ってもいて。この後の深井さんのレスポンスを,固唾を呑んで待っていた(以下,一言一句の文字起こしではないので,ニュアンス違ったら失敬!)。

決めたほうがいい。決めることと決めないことを共存させる。どっちかに行ったほうが,問いが再生産されなくて簡単。でも問いを再生産させ続けるには,わからないと思っておくことが大事。それが自分を俯瞰視点に引っ張り上げるフックになる。

これは無知の知,アンラーンとも言えそう,などの話から,さらに樋口さんは食いさがる。「何やっても同じなんじゃないか,とさみしくなることがある」と。それへの深井さんの応答。

歴史を学んでいるから,僕の中にも,無常観がある。いろんなベンチャーに参画して全力を出そうとしても,こんなことやっても意味ないかも,とか。でも,ずっと考えてくと,他にやることがない,ということに気づく。無常観があろうがなかろうが,ぼくのやることはこれしかない。だったらやるしかないじゃん,やればいいじゃん,っていう側面もある。「意味がないかもしれないと思いながら,他にどうせやることがないわけだから全力でやるしかない人生である」ということも考えている。すげー楽だよ。超気持ち楽。

面白いなー。とても面白い。下手な自己啓発本は要らないよね。それに対し樋口さんも「自分はブレーキぶっ壊して全力でやることもできると思うから,逆に危険だな,とも思う」と。さらにつづけて深井さん。

突き抜けないと,新しい時代につながっていかない。武則天みたいにやべー人が出てくるから門閥政治がなくなって,科挙が本格稼働して,と時代が変遷していく。彼女はそれを目指していなかったかもしれないけど。突き抜けることくらいしか,我々はやることはない。

その後の人の言葉も面白かった。

今日見てきたけど,保身したやつ,滅んでますからね。保身しても,突き抜けても,どうせ滅ぶ。

保身した人は何も残していないけど,突き抜けた武則天は,歴史に名を残しているし,何かを変えている。予測はできんけどね。歴史はその連続。武則天は,既存のシステムという高い壁に対する反骨心があったよね,と。また,孤独も感じたのではないか,という話も出てきた。ただ武則天は幸せだったのかな?孤独だったと思うな。さみしーい気持ちになりますね,などの言葉とともに,ラジオは終息にむかう…。



ここだなーと思う。「歴史に名を残す」という外からの視点でみたら,何か自分も,全力で突き抜けて,その結果何かを残せたらなーと思う。これは「若さ」に象徴される何かだと思う。
けど同時に,内側からの視点で「自分は幸せだなあ」と思っていたい,とも願う。安定を望む心持ち,なのかな。

もちろん両立しうるのかもしれないけれど,今の自分は,自分の家庭生活にもとても気持ちが向いていて,時間も体力も愛情も有限と考えるなら,その分配をどうするかってのはなかなかに大切なテーマだな。

でもまあ,そういうバランスについてすら,パートナーと話していけたらいいなと思うかな。バランスの取り方が下手くそで各所に迷惑かけることもあるけれど,自分はきっと幸せになれると思う。