さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

教育の歴史(コテンラジオ)②論破おじさん・ソクラテスの遺志を引き継ぎし古代アテネの教育スタイル

COTEN RADIO コテンラジオ オフィシャルサイト
最近このポッドキャストをよく聞いている。歴史は詳しくないけど,深く学んだ人たちの話を聞くことで「面白いな~」と興味がわく。
そして,最近「教育」をテーマにシリーズが始まった。
もうすぐ終わっちゃうのかな?と思うのだけど,めっちゃ面白かったので,メモしていきたいと思います。

#198 論破おじさん・ソクラテスの遺志を引き継ぎし古代アテネの教育スタイル【COTEN RADIO】 by 歴史を面白く学ぶコテンラジオ (COTEN RADIO) • A podcast on Anchor

  • アテネでは公教育があったらしい。
  • スパルタでは強いということが大事だった。強さに特化した教育。強くならなそうな子は殺された。20歳くらいまで体育中心の教育を受けた。スパルタが豊かな証拠。生産活動をしなくてよかった。
  • アテネでは衆愚政治に入ったタイミングで,ソフィストが台頭する(ソフィスト衆愚政治の原因という説も)。
  • ソフィストは議論で勝てばOK,という考え方。相手を言い負かしても社会は良くならなかった。弁論術に長けただけ(一部のビジネス系YouTuber,という揶揄もw)。
  • ペルシア帝国が攻めてきた。ソクラテス(前470 – 前399)が現れた。ペロポネソス戦争(前431 - 前404)などの大変革期に,このままでいいのか,というこれまでの社会の見直しが行われた。
  • シュメール・エジプトでは,限定的なスキルを渡そうとしていた。王様の補佐役が必要だったから。
  • アリストテレス(前384 - 前322)の説いた教育は,国家の責任において,全生涯に渡って教育をするもの。民主主義なので,自分たちで考えなくてはいけないから。国家は民衆そのもの。教育の重要性に気づいた始まり。今リベラルアーツが必要とCOTENの人が考えているのと同じ。自分の生き方を自分で生涯にわたって考え続けなくてはいけない。
    • ここでは優生主義的な思想が見られる。どうやって優秀な支配者を生むか。
  • アテネの国力はこの間落ち続ける。アレクサンドロス大王(前356 - 前323)の東方遠征によって,アテネは敗れた。
  • 徳を求めるようになった。これは「人に言うことを聞いてもらう必要が出てきた」からではないか。中国でも,ローマでも,ギリシアでも徳を求めるようになったのは,腕力では限界があるから,ということはありそうだ。
    • みんながご飯食べられてない時代は腕力が強ければ人は言うことを聞いたかもしれないが,人々の生活が安定してくると,お互いへの信頼関係・人格・教養,というようなものが必要になってくる。
  • 合意形成のコストを考えると,国家統治のフォーマットをどうつくるかは,とても大切。中国だったら儒教,ヨーロッパだったらキリスト教とか。どういうフォーマットをつかって合意形成をしていくか。
    • 武力統治から人格や哲学による統治になった(複雑化・高度化した)のは,人間が成長したから,というように捉えていたが,社会の変容によるものだったのだな,と気づいた。
    • いかに我々が社会に規定されているか。
  • 今回のポイントは,古代のエジプトやシュメールと違うものがギリシアやローマで生まれている。社会的な状況の違いがカギ。自らを主体的な政治参加者と捉えているかどうかが違い。

—世界について考え直すことができたのは,ペルシアの侵攻といった外的要因と,基本的には暇だったという内的要因がある。

今回の後半,示唆に富んでいるよなあ。ぼくらは社会に規定されている。さて,今の教育システムが映す社会の様相とは?でもその順番で考えるのは本当はおかしくて,今どういう社会なのか?を考えることで,きっとそこに必要な教育のスタイルが見えてくるんだろう。