さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

『愛とか正義とか』読了

愛とか正義とか―手とり足とり!哲学・倫理学教室

愛とか正義とか―手とり足とり!哲学・倫理学教室

読み終わった。とてもおもしろかった。
読書猿さんと対談した: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるここで読書猿さんの昨年No.1スゴ本だったということで,早速読んでみた次第。
いやー面白かった。「哲学する」時の頭のつかい方。
結論だけ言ってしまうと,自由・愛・正義が,それぞれ個人・身近な人間関係・社会において原理として機能している,という話なのだけど,そこに持っていくまでの流れが体験できるのがよい。↑のことをただただレジュメ的に言われても「ふーん」という感じ(だからぜひ本書を読んでみて欲しいん)だけど,そこに至るまでの議論というか,発想の仕方が丁寧に記述されているので,納得感がある。
こういう身近な現象を哲学する系の本で言うと,これもとても好きな本。
「おろかもの」の正義論

「おろかもの」の正義論

物理法則と正義は何が違うか。それは,たとえあなたが理屈を知らなくても手を離せば物体は地面に落下するように,物理法則はその法則について知っているか否かとは無関係に働く。しかし正義に関しては,関係する人たちがその存在や正当性について合意していないとうまく働かない。という切り口がまず素敵で,なぜ人を殺してはいけないか,中絶は是か非か,などの個別具体的な問題に対して答えを導いていく。

大学の授業で,こういう頭のつかい方をビシバシさせられる経験,もっと積まなきゃだったかもなあ。(ちなみに最初の本のAmazonレビューをみると,授業で買わされた学生が難癖をつけている。色々むずかしいなあ。笑)