さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

「対話をうみだす"実践知"を、トップランナーから学ぶ」

NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 研究会参加者募集中!「対話をうみだす"実践知"を、トップランナーから学ぶ」 : 子どもの対話 vs 大人の対話 小学校教諭・菊池省三先生 プロファシリテータ・加藤雅則さん をお招きしてに行ってきました。

講演者は2人で、菊池省三先生と加藤雅則さん。前者はNHKプロフェッショナルにも紹介された小学校の先生。後者はプロファシリテーターだそうです。


特に自分は前者の方に興味があって行ったけど、いろんな活動ありーのでどちらも面白かった。そして改めて、菊池先生の「見とる」力は本当にすごいなあと。


例えば、自分の席では「黒板を写しなさい」と言ってもノートをくしゃくしゃにしてしまう生徒も、黒板のすぐそばに呼んで書かせると、写すだけは写すようになった、とか。
普通考えないでしょう。その場で書かないなら、前に呼んでも書かない、と思ってしまいそう。
そういった、個別の生徒をみて、協調的な学級を作り上げる職人技的なものを感じた。本当にスゴい。


ただ、彼が6年生の学年主任だった時、横のクラスの管理的な先生のクラスでは「最後の1年がつまらない」とこぼす生徒がいたという事例を紹介していたり、3年連続で6年生の担任をやって、その小学校以外からはそばの中学に進学する人がいなかったから、その中学校は各学年に菊池先生の教え子がいて「菊池中学校」と呼ばれているとか、他の先生との関係性はどうなのかな、と思うところもちょこちょこあった。
他の6年の担任の先生からしたら、自分の教え子も一部いるのに「菊池中学校」なんて呼ばれるのはどうなのかなーと。笑 まあ、3年連続で6年生を担任したのが菊池先生だけだったって話だろうけど。


両隣の人と講演の休憩時間に話したのも面白かった。北海道の教育委員会の人とか!
「教師力より学校力」が最近のトレンドなんだって!


また、大人の対話をファシリテートしてきた加藤さんは、大人特有の問題として、

  • 問題解決思考が強い
  • 役割意識が強い
  • 持論がある
  • 競争意識がある
  • 遠慮がある

というのを挙げていました。なるほど…。学校の先生は「持論」が強そう。「子どもとは」「教育とは」ヒー!
同時に、そうした確固たる軸がないと、子どもに響く言葉は出せない、とその教委の人に言われました。ですよね。ヒー!


あと、客観視は、当事者意識が薄れることにつながる、という話もなんだか耳が痛かった。研究と実践の乖離、なんてテーマに、この辺が絡んでいるとしたら、いかに研究者が当事者意識を持てるかって大事だなあ。


一番最後に「獲得メタファー対参加メタファー」という学びの2つのメタファーが紹介されていた。
前者は、いわゆる学校でのお勉強で、先生→生徒に知識を授ける、的な考え方。
後者は、学習を、状況との関係の中に生まれるものだとして、動的なものと捉える考え方。


正直自分は後者をよくわかっていなくて、関係性の中から学習が生まれるとしたら、それは参加者各人に基礎的な知識・思考力がある場合だけなんじゃないかと思ってた。
今もそう思っているけど、菊池先生の話を聞く中で、そうした「基礎的な知識・思考力」をつけるためにも関係性が大切(な場合がある)ということを学んだ。
全部白紙でテスト出すような生徒が、漢字テストで80点取れるようになったってのは、確かに関係性なしにはありえない成果だと思う。
ただまーやっぱり、ある程度の関係性ができたら、やっぱ「獲得メタファー」的な学力が必要なんじゃないかとも、やっぱり思ってしまう。
あと、1人の担任が1つの学級のほぼ全てをカバーする小学校と、各教科の専門性が高まって、学級担任の守備範囲が狭くなっている中高とでは、色々話が違う気もした。


総じて、面白かったです!3500円だったけど!笑


最後に、「インタラクティブになりそうな講演会の格言」を置いていくよ!
(Cf. キャプテン渡辺による「クズの格言集」「クズの小さな幸せ集」 - Togetter


「美人の周りに座っておくと色々捗る!」
※今日はおじさんに挟まれた席に僕は座ってました、念のため。笑