さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

COTEN RADIO #232 より

COTEN RADIOで,最近のエピソード,武則天編を聞いていた。彼女の栄枯盛衰の物語はとても興味深かったのだけど,一番印象的だったのは,その最終回のアフタートーク。27分30秒くらいから。

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その前には,その場その場で最適と思われる判断をしても,その先の衰退は止められなかったし,逆にその時の何気ない変化が,後々とても大切なものになることもある,という歴史の実例から,「今の日本の政治も,何が正しいか,どういう基準で決めていいかわからない」と樋口さん。あー,わかるわかる,と思いながら聞いていた。でもこれって「何が正しいかなんて,わからないよね」というニヒリズムに陥りがちで,行動不能にもつながっちゃうよな,と常々思ってもいて。この後の深井さんのレスポンスを,固唾を呑んで待っていた(以下,一言一句の文字起こしではないので,ニュアンス違ったら失敬!)。

決めたほうがいい。決めることと決めないことを共存させる。どっちかに行ったほうが,問いが再生産されなくて簡単。でも問いを再生産させ続けるには,わからないと思っておくことが大事。それが自分を俯瞰視点に引っ張り上げるフックになる。

これは無知の知,アンラーンとも言えそう,などの話から,さらに樋口さんは食いさがる。「何やっても同じなんじゃないか,とさみしくなることがある」と。それへの深井さんの応答。

歴史を学んでいるから,僕の中にも,無常観がある。いろんなベンチャーに参画して全力を出そうとしても,こんなことやっても意味ないかも,とか。でも,ずっと考えてくと,他にやることがない,ということに気づく。無常観があろうがなかろうが,ぼくのやることはこれしかない。だったらやるしかないじゃん,やればいいじゃん,っていう側面もある。「意味がないかもしれないと思いながら,他にどうせやることがないわけだから全力でやるしかない人生である」ということも考えている。すげー楽だよ。超気持ち楽。

面白いなー。とても面白い。下手な自己啓発本は要らないよね。それに対し樋口さんも「自分はブレーキぶっ壊して全力でやることもできると思うから,逆に危険だな,とも思う」と。さらにつづけて深井さん。

突き抜けないと,新しい時代につながっていかない。武則天みたいにやべー人が出てくるから門閥政治がなくなって,科挙が本格稼働して,と時代が変遷していく。彼女はそれを目指していなかったかもしれないけど。突き抜けることくらいしか,我々はやることはない。

その後の人の言葉も面白かった。

今日見てきたけど,保身したやつ,滅んでますからね。保身しても,突き抜けても,どうせ滅ぶ。

保身した人は何も残していないけど,突き抜けた武則天は,歴史に名を残しているし,何かを変えている。予測はできんけどね。歴史はその連続。武則天は,既存のシステムという高い壁に対する反骨心があったよね,と。また,孤独も感じたのではないか,という話も出てきた。ただ武則天は幸せだったのかな?孤独だったと思うな。さみしーい気持ちになりますね,などの言葉とともに,ラジオは終息にむかう…。



ここだなーと思う。「歴史に名を残す」という外からの視点でみたら,何か自分も,全力で突き抜けて,その結果何かを残せたらなーと思う。これは「若さ」に象徴される何かだと思う。
けど同時に,内側からの視点で「自分は幸せだなあ」と思っていたい,とも願う。安定を望む心持ち,なのかな。

もちろん両立しうるのかもしれないけれど,今の自分は,自分の家庭生活にもとても気持ちが向いていて,時間も体力も愛情も有限と考えるなら,その分配をどうするかってのはなかなかに大切なテーマだな。

でもまあ,そういうバランスについてすら,パートナーと話していけたらいいなと思うかな。バランスの取り方が下手くそで各所に迷惑かけることもあるけれど,自分はきっと幸せになれると思う。

中古車を、買うぞー!オプションの謎

中古車を買うことにした。普通車、である!
自分の中で、車を見る時の主なポイントが年数と走行距離と色くらいしかないのでアレなのだけど、色々サイトをみて、妻とも話して、決めた。

現地へ。特に問題なさそうだったので、そのまま購入を決める。
と、そこで急に考えなくちゃいけないのが、オプション。
車検整備費込みということだったので、大体本体価格+10万くらいで収まるのかな?と期待していたら、「錆止めコーティング」「パックdeメンテ」「消耗品パック」などの購入を勧められ、それぞれ4-5万するので、結構高額になった。

妻はとりあえず入っておこうと言うのだけれど、自分はそれぞれの意味がわかっていなかったので、うーん、これ、要るのかなあ…という感じで迷ってしまった。
結局全部入ったのだけど、なんかモヤモヤは残る。もっと若い頃だったら、調べ尽くしてから買う時間的・精神的余裕があったよなあ、とか、これが大人になることか、とか。


それで入金も済ませ、必要書類を集めている*1ところで、車屋さんから電話。「すみません、1年1万キロ保証と契約書に書いちゃったんですが、1ヶ月1000キロ保証でした…」契約書を交わした後に変更って、買い手から言い出したら絶対認めてくれないことだよなあ!とか思いつつ、ちょっと交渉してみたものの、やはり保証は下げてほしいとのこと。まあそうだよね。
代わりに、どうせ契約書を書き換えるのだから、他のオプションも自分なりに調べてみて、要るか要らないか考えよう!と、近くの中古車整備工場へ。
(完全に余談だけど、小諸の今の家、徒歩15秒で八百屋さんとか自動車整備工場があったり、5分以内にツルヤ・郵便局・図書館・市役所に行けるなど、マジ便利な立地!)

・錆止めコーティング:最寄りの整備工場では、黒ニス塗り程度のことしかしていないとのこと。一応5年保つらしいし、2万円引きクーポンがついてたこともあり、これはつけたままにする(それでも20000円ちょいしたけど)。
・消耗品パック:買う前に必要な消耗品をバッチリ補充しますよ!というパック。49800円するのだけど、これはキャンセルすることにした。というのも、その内容を見せたら「これ車検整備で見るところですよ」と整備工場の人に言われた。バッテリーとかエンジンオイルとか。中古車とはいえ年式もそこそこに新しいので、この辺はここまでお金かからないと信じて。
・パックdeメンテ:これは6,12,18ヶ月のメンテ(12ヶ月目は法定点検)に、24ヶ月目の車検整備が入って57755円。これは入っておくことにした。最寄りの整備工場だと、法定点検15000円、車検整備40000円+検査代行費用10000円とのことで、この辺りやってもらえるだけでもだいぶ得かなあと。もちろん、その時に不具合あったパーツは交換だからさらにお金はかかってくると思うけど。

ということで、結論としては消耗品パックを外す、というところなのだけど、自分で情報を集めて、最初よりは納得感持って決断できたのはよかったな。少しの準備が必要だけど、どうもこのために一日出直す時間的余裕、なかなかもてないよなあ…。今回はたまたまイレギュラーで時間ができてよかった。


日曜の朝、5時半に起きて、白湯を飲みながら、妻の起床を待つ時間。豊か〜。

*1:印鑑証明って面倒ね…。

パワードスーツ

(最近やっていた「COTENラジオ」を聞いて文字起こし,というのは,公式サイトがすでにやっていることを知り,じゃあそっちのリンクを紹介すればいいか…という気にもなってしまった。笑 たとえば教育シリーズの最終回はこちら→ https://cotenradio.fm/season25/episode209

 さて,風越学園にゲストが来てくれて一日見ていただき,そのふり返りの場にちらっと参加した。
 その方は,「人ー道具ー空間」の間の調和の話などもしてくださり,面白かった。
 また,「ふつう学校見学に行くと『自分ならどんな授業しようかな・こんな授業したいな』と,教員目線で想像することはあったが,風越の場合は,自由度の高さは環境の充実もあってか,『自分ならどんなことをここでしようか』と,子ども目線で想像が広がった。子ども主体の学校だと,訪れた人もつい子ども目線になってしまうのだな,と思った」と話されていて,そうだなーと思った。
 そしてその方がちらっと言った「一般的に教師は,『パワードスーツ』を来ている。年間指導計画や授業案,固定時間割など。時に窮屈さも感じるものの,ある一定の方向で強い力を発揮する。それがない中で,つまりパワードスーツを脱いだ中でどんな教育が行えるか。教員には力量が求められる」的な話だったと思う。(後半正しいかな…)
 ホントその通りだなーと思う。次のタームのプロジェクトを考えているけれど,子どもの流れを汲んで…というのが全然自然にできないから難儀する。もちろんプロジェクトの作り方として,そういう子どもの流れに合わせた総合の授業的なプロジェクトもあれば,かっちりゴールを置いてそこに向かう逆向き設計のプロジェクトもある。だから自分は自分のつくり方を…とも思うけど,そう言い切れるほど経験もないし。…とまあぼやいていないで,目の前のことに全力であたろうね。さあ,今日も出発。

教育の歴史(コテンラジオ)⑦中国の教育 〜なぜ彼らは儒教OSを選んだのか?〜(後編)

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最近このポッドキャストをよく聞いている。歴史は詳しくないけど,深く学んだ人たちの話を聞くことで「面白いな~」と興味がわく。
そして,最近「教育」をテーマにシリーズが始まった。
最近終わっちゃったのだけど,めっちゃ面白かったので,メモしていきたいと思います。

#203 中国の教育 〜なぜ彼らは儒教OSを選んだのか?〜(後編) | 歴史を面白く学ぶコテンラジオ

  • 始皇帝の死後、秦はすぐ滅びる。
  • その後、漢王朝劉邦。秦が法家思想がちがちで反乱が起きていたので、この劉邦が「人を殺すものは死刑、人を傷つけ、および盗むものはそれぞれ処罰」とめっちゃ簡略化した。それまで民衆は「これやると罰せられるのかな…」とストレスフルだったのだが、それがなくなった。
  • 漢王朝をどう統治するか考える上で、儒教の「礼」という序列関係を重んじる思想は使えそう、となり、儒学者董仲舒が現れる。彼の儒教思想荀子的なもの、つまり法家と儒教が一本化されたもの、という説が濃厚。
  • 儒教はビジョナリーだが、中のシステムは弱い。そこを法家思想でかためている。
  • もうひとりのキーマンが文翁(ぶんとう)。彼が地方の官僚教育のプロトタイプをつくった。
    • 漢の時代に蜀という辺境の地でつくったというのもポイント。漢帝国なんか知らないよ、というような場所をどう統治していくかというところにニーズがあった。
  • まず蜀の地元の見どころある若者を選んで儒教を教え、中央の朝廷に派遣して仕事をさせる。そこで修行した後にまた蜀に帰ってきてもらう、という循環。
    • 儒教という共通の思想が、地方と中央と離れていても、「国を治めるトップはこういう人がいいよね」というところに共通理解を生んだ。
    • また、儒教は葬式などの昔の宗教儀式の流れを汲んでいる。単に国家システムの話ではないので、生活に密着した形で民衆の教化にも使える。
    • 古来から続いている思想、というブランド力もある。
  • 文翁は、蜀で官僚育成学校をつくった。ここで頑張ると、中央に派遣されて…というキャリアアップの道筋が明確で、人が集まるようになった。
  • 儒教というソフトウェアを作ったのが孔子儒教のソフトを国家というハードウェア上で動けるように改造したのが荀子。ハードウェアに儒教ソフトインストールしたのが董仲舒。最後に儒教ソフトの配信するプラットフォームの最初期のモデルを作ったのが文翁。この四人の人によって中国の儒教ベースの教育システムが立ち上がった。」これすごいなあ…!!
  • その後、唐王朝。国がやる教育として、王族向け・貴族向け・庶民のエリート向けの学校があった。内容的にも、法律、書道、算術、道教、踊りに音楽、医学などなど、専門分化した学校が多様にあった。
    • 基本的には後の時代もこの教育の仕組みをベースにしているようだ。日本も遣唐使を送ってこの時代の唐にたくさん学んでいたよね。
  • 書院(私人の図書館)も、中国の教育の特徴の一つ。教育リソース、人材育成のセーフティネットとして機能(宋王朝は国主体の教育にお金を割けなかったが、お金を出すから書院の方で教育をさせて人材を王朝に送ってもらっていた)。
  • 科挙も当然中国の教育の大きな特徴。
    • これについては有料版のポッドキャストでしか詳しくは聞けないらしい。笑
    • 科挙はすごいシステム。どんな人にもチャンスがあるように、客観的な試験にしていく。最後には殿試といって、皇帝自らが面接するシステムになっていたそう!
    • こうした公正な制度で、優秀な人材が(派閥などに関係なく)登用されることとなった。
  • 多くの地域を、一つの強力な集権国家としてまとめ、権力が同一のシステムで人材育成をするのが中国の教育の特徴。ヨーロッパにはなかった。
  • また、儒教実学的ではないというところにも言及されている。
    • すなわち、儒教を学んでも、行政事務ができるようにはならない(もちろん別で算術を学ぶなどはするが)。
    • 儒教という強固な「建前」があるため、腐敗政治に陥りづらかった。

国の置かれた地政学的な特徴が、社会のあり方を決め、それが教育のあり方も決める、というのは面白い。現代はグローバル化が進んで、置かれた地域にあまり関わらない教育が可能になりつつある(からこそ、OECDの共通テストなんかで一喜一憂するのかも)が、はたしてこの先にどのような社会が、そしてどのような教育が待っているのか。

あー、改めて、教育思想史とか勉強し直したいな。

教育の歴史(コテンラジオ)⑥中国の教育 〜なぜ彼らは儒教OSを選んだのか?〜(前編)

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最近このポッドキャストをよく聞いている。歴史は詳しくないけど,深く学んだ人たちの話を聞くことで「面白いな~」と興味がわく。
そして,最近「教育」をテーマにシリーズが始まった。
最近終わっちゃったのだけど,めっちゃ面白かったので,メモしていきたいと思います。

#202 中国の教育 〜なぜ彼らは儒教OSを選んだのか?〜(前編) | 歴史を面白く学ぶコテンラジオ

  • 今回からアジア。
  • 中国の定義:中華大陸に立った王朝をまとめてそう呼ぶ。
  • 儒教思想②国家主導③すさまじい仕組み化、の3つがポイント。
  • 紀元前1700年から。殷や周という国家。教育活動の痕跡はあったが、制度はまだない。学校はあったという後の時代の記載も。
    • 大学と小学、郷学などがあった。学習内容は、六芸。礼(儀礼)・楽(音楽)・射(射撃)・御(馬術)・書(文学)・数(算数)。
    • いろいろな古い時代の教育内容に、だいたい音楽が入っている。CDとかないから、弾ける人を育てないと途絶えてしまう、ということか。
    • 算数も、食料の輸送や人員配置などについても学んでいたらしい。
    • 家庭の中での教育についても扱われていたらしい。8歳になったら礼儀作法を教える、とか。
  • 殷の次の周では、礼を用いて他国を従える、というような使われ方をした。君主は君主、臣下は臣下のなすべきことをする、という教えなので、ヒエラルキーがしっかりして、統治に向いている感じ。
  • その後、各地の諸侯の力が強くなり、春秋戦国時代に。既存の社会システムが崩壊する中で、いろんな人がいろんなことを考え始める。諸子百家儒教と法家が最大勢力となった。
  • 儒教孔子が体系化。古き良き時代に立ち返れ、というのが主旨。六芸を重視。儒教の特性の中で面白いのは、あらゆる問題を「人の心」に還元する。課題の解決方法は、聖人の思想を学ぶこと。聖人の思考パターンを自分の中にインストールせよ。
  • 法家:今の時代の法律とは違い、国を君主が治めるために、法(罰則)を徹底する。
  • 荀子稷下の学士(中国の戦国時代、斉の国都である臨淄に集まった学者たち)の学長となる。儒教思想に法家思想を盛り込む。
  • 儒家は古き良き時代に立ち戻れ、法家は皇帝がトップに立ってシステマチックに直接統治、ということで、理念が違う。始皇帝は法家寄りなので、排除していった。
  • 次回は漢の時代。教育システムは、中国において大きな変更なし。漢の時代にシステムとして確立されて、のちの時代にカスタマイズされていく。中身は、時々道教や仏教が入るが、儒教ベース。
  • 帝国スタイルでしか統治できない、広い中華大陸→社会システムがある一つの傾向を持ち続ける→教育は社会に規定されるので、教育にもある傾向が出る。漢や隋において、世界最大の官僚国家をつくりあげる。

教育の歴史(コテンラジオ)⑤愛が生まれた日 ~中世ヨーロッパの教育によって「発見」された子どもたち~

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最近このポッドキャストをよく聞いている。歴史は詳しくないけど,深く学んだ人たちの話を聞くことで「面白いな~」と興味がわく。
そして,最近「教育」をテーマにシリーズが始まった。
もうすぐ終わっちゃうのかな?と思うのだけど,めっちゃ面白かったので,メモしていきたいと思います。

#201 愛が生まれた日 〜中世ヨーロッパの教育によって「発見」された子どもたち〜【COTEN RADIO】 by 歴史を面白く学ぶコテンラジオ (COTEN RADIO) • A podcast on Anchor

  • 子どもという概念が,中世ヨーロッパにはなかった。今のように血族関係でつながりを感じていなかった。当時は,父を中心に,その仕事への参加度に応じて関心を寄せられたようだ。
  • 血がつながっていても,機能でしか見られていなかった。キリスト教で禁止されていたものの,(役に立たない子どもは)間引きもされていたようだ。
  • 半分以上は亡くなってしまう,という事情もあったようだ。
    • 吉本興業の例が面白かった。バンバン入ってきてバンバンやめて,「君面白いね」という少数の有望な人に投資する。笑
    • 絵画に登場する子どもも,縮尺がおかしかった(小さい大人,のように描かれている:よく観察される存在ではなかった)。
    • 日本も間引き・中絶は江戸時代まで普通にされていた模様。
  • 子育てを生業としている貧しい人に預けられて,死んだら死んだで仕方ない,という感じ。
    • 動いたら邪魔だから,赤ちゃんをぐるぐる巻きにして壁につるしていたらしい。すご!
  • 徒弟修業が大学という教育に代わって(わりと上流階級の話とのこと),子どもへの眼差しも変わった。
    • 当時の「大学」は,今と異なり,8-9歳の子どもたちも行っていたらしい。その年齢の子どもたちを集めるという現象が生まれ,その年代の「社会」として認識される。
  • つまり,子どもに対して見返りのない投資を行うことになった,ということ。
    • 大学に行って,出世してくれたらいいな,という願いがあったようだ。
    • これにより,子どもの人数が減り,大切に育てるようになった。見返りのない投資を行うには,愛情がないとやっていけない。
    • この時期の子どもの親への手紙の中に「愛しい母へ」のような文言が出るようになったとのこと。へーっ!
    • 死亡率が高いから,愛情をいちいち注いでいたら心を病んでしまっただろう,という指摘も。たしかに…。
  • 一人あたりの個体が生む子どもの数が減っているということは,「違う種族になってきている」とも言えるのでは,ということも言われていた。なるほどね。
  • 平均寿命が延びたことも原因では。すぐ死ぬと思っていたら,愛情を注ぎづらい。
  • また,こうした子どもという概念の発見には,ルソーらの啓蒙思想も影響しているだろう。人文主義エラスムスなど)も。古代ギリシアの学問を勉強し始めた人たちが,必ずしもキリスト教的ものの見方だけではない,という潮流が生まれたことも一因。

教育の歴史(コテンラジオ)④ユニバーシティ?カレッジ?世の中に知識人を輩出する「大学」のルーツ

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最近このポッドキャストをよく聞いている。歴史は詳しくないけど,深く学んだ人たちの話を聞くことで「面白いな~」と興味がわく。
そして,最近「教育」をテーマにシリーズが始まった。
もうすぐ終わっちゃうのかな?と思うのだけど,めっちゃ面白かったので,メモしていきたいと思います。

#200 ユニバーシティ?カレッジ?世の中に知識人を輩出する「大学」のルーツ【COTEN RADIO】 by 歴史を面白く学ぶコテンラジオ (COTEN RADIO) • A podcast on Anchor

  • 今回は大学!12世紀後半から13世紀後半。人の集まりのことを「大学」と呼んだ。コミュニティであり,建物も当初は持っていなかった。12世紀後半から,職業としての知識人が現れた。知識人であるだけでお金がもらえるようになった。社会が豊かになったことが一因。
  • 教会権力,政治権力,皇帝権力などさまざまな権力との交渉で,自治権などを獲得していった。
  • 都市単位での生活が基本となる中で,商人や修道士は都市間を移動。メディアとなっていく。知識がたまっていく。都市に規定されない。
    • 大学が持っている越境性や独立性は,このあたりに端を発するもののようだ。
  • 都市が発展すると,読み書きそろばんニーズも増す。(会社が大きくなると,直接売り上げは上げないけど必要,というバックオフィス業務が増える,という説明があった。なるほど!)
  • 古代ギリシアで勃興した哲学・自然科学は,中世ヨーロッパには直接引き継がれず,アラビア語に翻訳され,イスラーム世界に蓄積されていた。そこから逆輸入を始める。
  • universityは,ウニヴェルシタという「組合」を語源にする言葉。ボローニャ大学が最初。その前のローマは,教皇と皇帝が叙任権闘争で争っていた。自治都市も,自分たちの権利を論証する必要が出てきて,法学を学ぶ必要が出てきた。法学の学生が集って組合をつくり,universityになっていった。
  • もともと学生と教師は今で言う家庭教師的な関係だったが,規模が拡大すると,教師は組合団体に雇われるようになった。
  • パリ大学の形成過程は,ちょっと違う。学生らに対抗する,教師らの組合。これがカレッジ。教師らは,学位授与権を持つことで,生徒たちに対抗した。当時の権力からこの学位授与権を(組合として一致団結して)認めてもらった。
  • 大学が学位を与えることができるということは,権威を自ら再生産できる。小中とレベルが違う。大学は博士をつくれる。権力からある程度距離をとって自治的に学問を深められたことで,この後の時代にかなり自由な発想を展開する。
  • ボローニャ大学パリ大学の学位取得者を中心として,ヨーロッパ全土に大学が広がる。
  • アリストテレス古代ギリシア的考え方が,キリスト教会の中にも少しずつ浸透。これがルネサンス宗教改革ルネサンスフランス革命に影響を与えていく。


権威を自ら再生産できるとか,たしかに重要なポイントだよなあ。そしてここの自治的な空気が,今後の思想展開に影響しているとか,胸アツ!