さんだーさんだ!(ブログ版)

旧「◯◯な英語教員に、おれはなる!!!!」 - 大学院を終え、2015年度より中高英語教員になりました。

「『体罰』に反対する声明」を読んで〜正/負の強化/弱化

[資料] 今あらためて読みたい、「体罰」がいけない理由 | あすこまっ!
この記事を読んで,そこに紹介されている,
「体罰」に反対する声明(pdf)
も読んだ,ふむふむ。

その中で,正の強化・正の弱化,負の強化・負の弱化,という術語が使われていたんだけど,ちょっと混乱したのでメモ。

  • 強化:ある行動(ここでは問題行動)を増やす
  • 弱化;ある行動を減らす
  • 正:ある刺激(それが嬉しいものでも嫌なものでも)が存在する/与える
  • 負:ある刺激が存在しない/取り除く

正が良いこと(問題行動が減るとか良い行動が増えるとか),負が悪いことと思い込んでしまったから混乱したんだな。


たとえば授業中騒ぐ,という「問題行動」を起こしている生徒がいたとして,
それを止めるための手法は,上の分類を使えば4つに分類できる。

強化 弱化
周りの生徒が笑ったり,構ってくれる(=(強化)刺激がある)ので,さらに騒ぐ(=強化) 先生に殴られる(=(嫌悪)刺激がある)ので,大人しくなる(=弱化)
先生に注意されない(=(嫌悪)刺激)がないので,さらに騒ぐ(=強化) 誰にも相手にされない(=(強化)刺激がない)ので,大人しくなる(=弱化)


嫌悪刺激のことを,上の声明中では特に体罰を念頭に置いて「苦痛刺激」と表現しています。
そして,苦痛刺激を用いた「正の弱化」を体罰とみなし,これに反対しています*1

より望ましい方法として,なぜその問題行動が続くのか,言い換えれば,その問題行動を「強化」している刺激は何なのかを分析し(=「機能分析」),その刺激を取り除く(=「消去」)方法が紹介されています。

教育的、倫理的に、最も望ましいのは「正の強化」にもとづいた手続きであり、その次が、倫理的に問題がなければ「負の弱化 (反応コスト法など)」ということになります。強い苦痛刺激を用いた「正の弱化」や「負の強化」の手続きを使わなくても、望ましくない行動を副次的な作用を生じさせないで減少させることは可能なのです。(上述声明p.6)

上の引用中の「正の強化」は,問題行動の代替となる望ましい行動を増やそうとする介入のことです。
「負の弱化」として反応コスト法,タイムアウト法などが紹介されていますが,詳しくは別のページを参照するのがよさそう。たとえば ある行動の生起頻度を減少させる方法 など*2

*1:同じ正の弱化でも,たとえば,「水泳選手の横をプールサイドでコーチがついて歩きながら、選手が望ましくないフォームをするたびに棒の先で肩をタッチする」など,苦痛でない刺激を与えることで誤ったフォームを矯正する手法などが上述声明中では紹介されています。

*2:ううむ,この記事よりはるかに分かりやすい具体例と詳しい説明が…。笑