さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

卒業・斎藤栄二本・「とびたいんだからとぶよね」

15分で備忘録!シリーズ。(今回は15分は超えたな…w)

このたび無事大学院を修了し、来年度からは無事都内の私立中高英語教員になります。
多くの友だちがFacebookに卒業の辞を投稿している中、自分はあんまりそういう気になれていないのは、つまりこの2年間で学んだことを胸を張ってご報告できないということで、なんだか情けないことだなあと思っています。
とはいえ、この2年間で何も学んでいなかったというわけではもちろんない(と信じたいw)。学部卒でそのまま教員になるより、主観的にはいい教員になれるような気がしています*1
教育研究は難しいんだなと、月並みな、もう少し早く気づくべきことにはっきり気がつけたことと、英語(教育)の世界には自分が一生かけても極め尽くせないだろうたくさんの事柄があるということに改めて気づけたこと、でもそれらにしがみついて勉強していくのは楽しそうだと確認できたこと、さらにそんな中でも目をかけてくださる先生方にお会いできたことは幸せな限りです*2

同時に自動車学校も卒業し、免許も無事取れました。使う気そんなにないけど。。笑

それでですね、斎藤栄二さんの本を読んでいます。
元々はこの本

英文和訳から直読直解への指導―明日から使える教室技術

英文和訳から直読直解への指導―明日から使える教室技術

を職場から借りて読んだことがきっかけでハマりました。当時の自分は、その授業その授業をうまくやりくりすることにばかり意識が向いていて、段階的な変化というものにほとんど意識を向けられていなかった。ある授業をうまくやるためには、その授業内における指示出しやらを徹底すればいい、と思っていたんですね。
もちろん指示出しが不十分では授業は当然うまくいかないけど、授業がうまくいく要因は、それだけでは決してない。その生徒がそれまでどのような形態の授業を受けてきたか、教員である自分の今までの授業形態はどうだったか、自分と生徒の関係はどうかなどなど、授業が始まる前に知っておかなくちゃいけないことはたくさんある。
この本は、いわゆる文法訳読式の旧態依然とした授業から、英語を英語で理解するような生徒を育てるためにはどうすればいいかということが、極めて細かい話(指名の仕方をちょっと変えるとか、生徒に使わせる穴埋めプリントを段階的に変えていくとか)を積み重ねていくことで丁寧に説明されています。名著!
ということでそれからAmazon斎藤栄二さんの本を色々集めていて、今のところ持ってるのがこの辺。
基礎学力をつける英語の授業

基礎学力をつける英語の授業

これだけは知っておきたい英語授業レベルアップの基礎

これだけは知っておきたい英語授業レベルアップの基礎

より良い英語授業を目指して―教師の疑問と悩みにこたえる

より良い英語授業を目指して―教師の疑問と悩みにこたえる

これだけは知っておきたい英語授業成功への実践

これだけは知っておきたい英語授業成功への実践

同じようなことがくり返されている部分もあるけれど、非常に共感できる。当て方とか、プリントの演習させ方とか、早速使おうと思えるTipsも満載だけど、それ以上に、「少しずつでいいからよりよい方向に変えていきましょうよ、ねえ」という姿勢がよい。「こうすりゃいいんですよ!できないの?失格!」みたいな論調とは一線を画するものだと思います。

もう2週間もしたら勤務が始まる。きっとなんだかんだ忙しいんだろうなあ。この上なく恵まれた環境で仕事ができるんだから、そんな場所で歩みを止めてしまうとしたら、きっと自分は先生としては、どこにいたところでいい仕事はできないんだろう、なんて思いながら、少しずつでも授業を改善できたらいいな。


勤務校の先生が、中学の卒業文集で生徒に贈っていた詩*3
「とびたいんだから とぶよね」の確信的な論理の飛躍と、「たまたま いっかいダメ」が何回(任意のn回!)続いてもこの姿勢を持っていたいなと思わせる辺りが、とてもよい。

「クレヨンロケット」
クレヨンと
らくがきノートでね
カッコイイ しんがたロケット
かんがえた
はっしゃのエネルギー
とびたいきもち
もっと もっと
そらに ちかづきたい
クレヨンロケット とぶよね
とびたいんだから とぶよね
たまたま いっかいダメでも
いつかは とぶからね
きんせいじん
きっとてをふって
(ヨレバンガ)
さかさまことばを しゃべる
うちゅうは いろいろ
ときどき でたらめ
でもね でもね
ぜんぶ わかりたい
クレヨンロケット とぶよね
とびたいんだから とぶよね
たまたま いっかいダメでも
いつかは とぶからね


やるってきめれば
ぜったいやれる
パパが ぼくに
まえに そういった
クレヨンロケット とぶよね
とびたいんだから とぶよね
たまたま いっかいダメでも
いつかは とぶからね
いつかは とぶからね
そのとき みにきてね

もう自分は他の人が何やってるかとかっていうのはあんまり気にならない(友だちの近況は知りたいけど、それは別に自分と比較してどうこうするって意味ではない、と思うw)けど、自分のロケットがとんだ時には、ちらっとでいいからみにきてもらいたい気もするし、誰かのロケットがとぶ時は、きっとみにいきたい。
それに何より、これから教える生徒が、そういう「ロケット*4」を見つけられたらいいなあと、ぼんやり思っている。

*1:もちろん、気のせいかもしれない。

*2:同時に、プレッシャーも強いけど。笑 そうそう、今朝、授業がなかなか思い通りに行かない夢をみた。正夢化しそうで怖い気もするけど、なんとかなるといいなあ。

*3:おかあさんといっしょ」の歌みたいで、余計びっくり。笑 余談だけど、卒業文集に寄せた先生方のお言葉、とても面白い。やや頭おかしい(ほめ言葉)先生が多そうだってのも、来年度がとても楽しみな一因。

*4:院の先生が言っていた「mission」―やりたいなんてもんじゃなく、やらねばならない、みたいなどうしようもない強いモチベーションを感じる、感じざるをえないもの―ってのに似てるなあ。