本日は二月十四日、バレンタインデイ。
此処一週間ほど、何処も彼処も―駅構内や百貨店、コンビニエンスストアから町のお菓子屋さんに至るまで―、此処ぞとばかりチョコレイトを売り込んで居ります。
そう云った商戦の結実が本日となる訳ですが、皆様、斯様な話を聞いたことは御座いませんか。
バレンタインデイ当日の夕方、チョコレイト屋に沢山の女子高生が来店する
さて、この行動の裏に隠された、或る恐ろしい―それでいて極めて合理的な―理由が、読者の皆様には想像出来ますでしょうか。
或いは、此の様にお考えの方が居らっしゃるかも知れません。
・推測の一
渡しそびれた相手にチョコレイトを買い足すのだろう
・推測の二
チョコレイトの値下げを狙っているのだろう
―残念ながら、答えはノウ、で御座います。
勿論そう云った狙いをお持ちの女子生徒も居るかとは思いますが、彼女達の多くは、チョコレイトを買わないのです。
…
其れにも増して珍妙なのは、以下の事実です。
彼女達は、其の店で売られたチョコレイトを手に来店する
店のチョコレイトを既に持っているのであれば、態々来店する必要は無い筈だとお考えの貴方、其のお考えは全く以て正しいかと存じます。
―但し、正しい事が真実とは限らない訳で。
……
未だ理解されない方も少なからず居らっしゃるかも知れません。
そんな貴方に、この「謎」を鮮やかに解き明かす、ある単語を差し上げます。
―心の準備は宜しいでしょうか。
「友チョコ」
―友情はお金ではないと、信じたいもので御座います。