ということで最終章!(本当は昨日まで行っていた全国英語教育学会の感想でも書こうかと思ったけど、とりあえずこっちでお茶を濁す)
先生は教えすぎ、というコンセプトでこの本は書かれたわけですから、先生の一番の仕事は、バランスのよいコースを準備することであり、生徒のレベルにあった一番重要と思われるmaterialを準備することである。
第一に有用な授業改善としては、extensive reading programをコースの中に設定することが挙げられる。これは長くて難しいテキストを読むのではなく、登場する語彙のうち、未知語は2%くらいを目安とする。もちろん、生徒が自由に選べるだけの本の量や、貸し出しのための制度設計が必要だが、生徒先生両者にとってよいものとなるだろう。
次に有用な授業改善は、fluency developmentをコースの中に設定することだ。4技能にわたって、知っているだけの無意味な知識を、使える知識に変換しなくてはならない。
三番目に有用な授業改善は、meacning-focused listening and speakingの活動を入れることだ。以下有用な授業改善として、レベルにあったリスニングインプットを与えること、ニーズやレベルにあった最も大切な語彙から習得させること(そのためにはどの語彙が高頻度語か知るすべを持たなくてはならない)、などが挙げられる。
◯The Conditions for Language Learning
くり返しがとにかく大切。単に回数を増やすのみならず、その質も。生徒がretrieval(思い出すこと)をして、前回とは違った形で思い出させることが大切だ(前回はリスニングで、今回はリーディングで、とか)。意味や形が微妙に異なる中でその単語を思い出すことで、定着率が上がる。本書は活動に絞った話が多かったが、こうした生徒の「学び」自体についても知っておく必要がある。
◯What Should a Language Teacher Know?
本書はどういう風に教えるかに偏ったものだったが、他にも言語の性質・言語がどう学ばれるか・言語がどう使われるか、辺りを知っておくことが必要だ。
◯What Can Teachers Do to Improve Their Teaching Skill?
他の人の授業をみるとか、自分の授業をふり返るとか、本を読むとか。「TESL/TEFL/TESOL/ESL/EFL/ESOL Links - TESL : Journals on the Web」なんてとこでも、様々なarticleが読める。学会に出るのもいいね。general education courseについて学ぶことや、teacher-support groupに入ることもよい。
"Being able to speak English is only part of the knowledge needed to teach the language."というこの"part"が、そのknowledge全体のどのくらいの部分を占めているのかは非常に気になるところ。
なんだか最後の章はけっこうふつーな感じで終わってしまいましたが、これでめでたく、本書のまとめは終了です。いずれ読み返して役に立つといいのだけど。それでは!