さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.6: How Do You Teach Pronunciation and Spelling?

 "The principle of four strand"はいわゆる4技能以外でも活きている、とのことで、今回は発音と綴りを扱う。本来はmeaning-focused input/outputやfluency developmentの活動中にも発音・綴りの能力を向上できるが、本章はlanguage-focusedな活動に焦点を当てる。
読みを開始する際、spoken form(発音?)とwritten form(綴り?)の関係を知っておくのは非常に大事!なんだって。


◯Pronunciation and Listening
 発音について学ぶ前に、数日間音を聞く時期を設ける。その後で、例えばthe, they, thisなどなどに含まれるthの音に注意を向けさせる。舌の位置を教えて、この音が出てきたら注意がある程度向けられるようにする。シリーズ物として時間を取るほどのものではないが、リスニングの授業に適宜このような"consciousness-raising"を入れていくと良い。


◯Pronunciation and Speaking
 発音を学ぶ目標は、通じる英語で話すためであるが、あまり発音注意されまくると、発音間違いを恐れて話したがらなくなるかもしれない。fluency developmentの活動によって、注意を向けなくても正しい発音ができるくらい流暢になる。…とは言うもののそんなうまくは行かないんじゃないかなーとも思ってる。笑


◯Teaching Pronunciation
 "articulatory phonetics(調音音声学)"の知識が必要。本章では、基本となる音声学の知識についても触れる。教員養成課程で音声学必須にすればいいのに。
発音の誤りは母語との関連で起こることが多い(母語にない・あっても微妙に違う)ので、クラス全員の母語が同じであれば起こりやすい誤りのリストなどを作って、かつそれに優先順位を付けておくと学習しやすい。発音に関する問題にも、いくつかのレベルがある。


(1)Particular words
 綴りと発音が対応していない場合。教員が解説する必要がある。


(2)Pronunciation features
 個々の音素に関する問題。いくつかの対処法がある。有声音―無声音の違いを喉に手を当てさせて教える、交互に発音させる、聞いた音を当てさせる、教員の後について発音させる、などなど。


(3)Single sounds
 単語中のある一音素に難があるなら、既出の単語のどの音と同じかを示すことも効果的。


 とは言いつつも、発音は、発音練習だけで伸びるわけではなく、リスニング・スピーキングを通しても伸びる、ということを意識しておかなくてはならない、と締められていました。


◯Teaching Spelling
 綴りは英語を学ぶ上で重要。話された語は、分割可能な音素が組み合わさってできていることを知り、それぞれの音素を判別できるようにする。これを"phonemic awareness"と呼ぶ。
また、それぞれの音素がどう綴られるかを知ることも大事。その対応のリストは、著者の以前の著作である"Teaching ESL/EFL Reading and Writing"の補遺に収められている。けどこの本高い…orz
アルファベットとそのアルファベットが表す文字がずれている(Aは"ay"と綴られる音をしている)ので、単にアルファベットだけを読み上げるのは、綴り―音の対応を知るには不十分。まあ単にアルファベット自体を覚えるためのものだと思うけど。笑
 Phonicsを使って、音と綴りの関係を覚えさせる活動をreadingの授業中にやるのを嫌がる人もいるけど、効果的。もちろん、そんなたくさんやってもダメなので、以前紹介した原則に則ってやるの、という条件付きだけど。
具体的な活動例としては、同じ綴り("ee"とか)を含む単語を並べて読んでみるとか、ターゲットとなる綴りを含む既知の単語から成る文章をディクテーションさせるとか。


English pronunciation ESLでググったり、text to speechでググったりするといいよ、って付録に書いてありました。
English Text To Speech, TTS: English, Spanish, French, Russian, Italian, German, Portuguese, Korean, Japanese, Chinese


Appendix4には、free sounds(長母音?)とchecked sounds(短母音?)の違い、つまりpineとpinの違い、みたいなのの見分け方が書いてある。けど疲れたから割愛。それでは!