さんだーさんだ!(ブログ版)

旧「◯◯な英語教員に、おれはなる!!!!」 - 大学院を終え、2015年度より中高英語教員になりました。

"What Should Every EFL Teacher Know?" (Paul Nation) Chap.4: How Do You Teach Reading?

本章から具体的なスキルに関する話が出てきます。読みの力から。


p.55の表が簡潔なのでまず載せておきます。

Kinds of reading Types of texts Amount of time in the reading program Amount of time in the whole class
Intensive reading Short, slightly difficult texts 1/4 of the reading program 1/16
Extensive reading Many long interesting texts with only a few unfamiliar language features 1/2 of the reading program 1/8
Reading for fluency Very easy extensive reading texts, Easy texts with comprehension questions 1/4 of the reading program 1/16

※Extensive reading:様々な領域をカバーする広範なテキストを読んでいく。量重視。定期的にたくさん読んでいく。100語につき2語程度未知語を含むようなテキストを読む"for language development"と、簡単なものを大量に読む"for fluency"がある。後者は大事らしく、あとに3つ目の柱として紹介されています(だから分類がよくわからないっちゃよくわからない)。
※Intensive reading:少し難しい語や文型を含んでいる、短い文章(200語程度、とあったけど日本ではこれを「長文読解」なんて呼んだりもするよね…笑)を、様々な助けを借りつつ読んでいく。英語の能力が上がってきたら、内容についても英語で説明できるとmeaning-focused inputが増えていい感じ。
※Reading for fluency:簡単な文章(未知語なし、不明な文型なし:一度読んだテキストや、学習者のレベルよりだいぶ低い読み物)を可能な限り速く読み進めていく。comprehension questionsをつけることで、ある程度の内容理解も確認しながら進める。



ふむふむ。それでは各節のまとめ。

◯Extensive reading
 まずVocabulary Size Testを行なって、生徒の現状を把握する。
 次にgraded readersのリストを提供し、自分の好きなものを読ませる(Graded readersは3000語レベル程度で止まるから、それ以上はより発展的な内容に取り組ませる。)
 Extensive Reading Foundation 2013 Language Learner Literature Award - Cambridge International Book Centre - EFL / ELT / ESL / ESOL / TEFL / TESOL Booksこんなサイトも参考になるとのこと。
 黙読する時間を定期的にとる。最初は授業時間内に。徐々に宿題に。授業が週4コマなら、うち2コマではExtensive readingの時間を取りたい。理想的には、2週間に1冊のペースで読み進めたい。
 月1程度、ちゃんと量をこなしているか確認。本活動の重要性を説いたり、たくさん読む生徒をほめたり、クラス内で読んだ本を発表させたりするなどで、生徒のモチベーションを高める。
 こんなPDFも挙げられていました。

◯Intensive reading
 注目すべきポイントとして、Sounde-spelling, Vocabulary, Grammar, Cohesion, Organisation of information, Genre, Comprehensionが挙げられている。Cohesionが入っているのは日本ではあんまり見ない気がして面白い。
代名詞・副詞・接続詞などへの着目を、「文法」ではなく"Cohesion"の問題として解説する、というのはやったことないからなかなか難しそうだなあ。
でも今になってふり返って思うのは、文法を文法としてしか勉強していなくて、実際の文章読解の中で使えていなかった気がする。友だちはちゃんと時制の違いに目が行って意味の違いをとらえられていたのに、自分には見えていなかった、ってことがしばしばあったから、実際の読解場面で文法がどうかかわってくるかにはもう少し目を向けさせられたらいいのかも。
また、"organisation of information"とか"genre"とか、正直普段意識していないようなことも挙げられていて、確かに新聞の英語と論文の英語と会話の英語と小説の英語は、書かれ方や注意すべきところや読み方が色々違う気もする。

the goal of intensive reading is not the understanding of today's text, but is the understanding of general features which will make tomorrow's text easier to understand. The easiest way to make today's text understandable is to translate it into the first language. However, this will have very little effect on understanding of tomorrow's text on a different topic.(p.59)

なるほど。
事前指導によって文中の特定の項目に意識を向けさせるのも大事だが、やりすぎても効果がないから項目は絞るべき。
事後指導に時間かけがちだが、読みながらの指導にこそが効果的で、事後指導に時間をかけるくらいならたくさん読ませたほうがハッピーだそうです。

◯Reading for fluency
 著者のHP上のPDFに具体例が載っています。いうてレベルけっこう高そうw
学習者の多くは100語/分だけど、練習次第で200語/分は簡単にたどり着く、とのこと。マジか。速く読めればたくさん読めるからそれだけ言語運用能力も上がる、というそりゃそうだよね的なことも書いてありました。
Extensive readingで読ませたgraded readersを再利用するのもあり。また、同じ文章を続けて3回とか読むのもあり。


◯Integrating Reading with Other Skills through the Linked Skills Activity
 異なるスキルを組み合わせて連続した活動を行うことを"linked skills activities"と呼ぶそうで。ここで紹介されている例は、

  • まず"Washing your hands"なんてトピックを与える。生徒は3~4人のグループになってそれについて知っていることを話し、次に渡される読み物の中に含まれるであろうトピックを3つ予想する。
  • 次にそのトピックに関する読み物を渡す。「どうやったら一番きれいに手が洗えるか」。1人で読んだりペアで読んだりした後、お互いに理解を確かめ合う。
  • 最後にその読み物を踏まえ、学校の手洗い場に貼る指示を書く。

このように、話す・読む・書くの別々のスキルを用いた活動を、同じトピックに沿って行う。
同じトピックを使っても、例えば、

  • まず手洗いの手順のリストを配って読ませ、優先順位付けをする。
  • その優先順位を小グループで確認。
  • 正しい優先順位付けに関しての読み物を読んで、自分たちの順位付けが正しかったか確認する。

この"linked skills activities"において大切なことは、


・複数の活動が、全て全く同じトピックにフォーカスしているか
・同じ語彙が複数の活動の中でくり返し使われているか
・生徒同士がいい感じにインタラクションしているか。単語の意味をお互い説明しあったり、自分の意見をしっかり相手に伝えたりしているか。
・楽しそうにしているか。


辺りだそうです。
また本章も、有用なwebページに関しての情報が満載だったので、以下に列挙しておきます。


Reading in a Foreign Language (RFL) → 外国語を読む力に関する、無料で読める論文誌。
本雑誌の中で特に注目に値するものとしては、
Reading in a Foreign Language: October 2002: Table of Contentsの"Top Ten Principles for Teaching Extensive Reading"
Reading in a Foreign Language: October 2010: Table of Contentsの"The effect of a timed reading activity on EFL learners: Speed, comprehension, and perceptions"
Reading in a Foreign Language: April 2005: Table of Contentsの"A framework for developing EFL reading vocabulary"
が挙げられています。
Compleat Lexical Tutor → テキストに含まれる語彙の情報を簡単に整理してくれそうな感じ(VocabProfilerなど)。
| Promoting Extensive Reading in English as a Foreign Language → 特に"prize-winning readers"のページ(こちら)が参考になるようです。
ESL/EFL Reading - 365 ESL/EFL Short Stories → 短いお話がいっぱいのってて、音声も聞けるし良い感じ!
Onestopenglish: Number one for English language teachers
컴퍼스미디어 → 筆者による講義のページ。と思ったけど韓国語のページで動画見られない??
日本多読学会/Extensive Reading Association → 一応日本の多読協会も紹介。
Test Your Vocabulary Online With VocabularySize.com – Free tools to measure your students' word knowledge → 語彙数テスト。