さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

『いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか』(内藤朝雄)

いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか (講談社現代新書)

いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか (講談社現代新書)


読了。
胸くそ悪いなあと思いながら読むしかなかった1冊。
事例がエグい。そして,逃げ場のなさ。
筆者の主張は,逃げ場を作ろう,というところに尽きると思うんだけど,これ,学校の先生としては難しいところな気がしている。

「今ここ」の秩序・人間関係だけに拘泥してしまうがゆえにいじめが発生して深刻化してしまうんだろうけど,じゃあ「今ここ」以外の秩序を子どもたちが自由に選択できるようになってくると,おそらく「今ここ」への熱中度(?)は下がって,その熱によって下支えされていた学校行事が成り立たなくなり始めるのでは。
もちろん「学校行事の成立」と「人命の存続」とじゃあどちらが大事かは自明だけれど,多くの場合,そこまで「傷」が重大にならずに学校行事が行えているから,悩みどころなんだと思う。

考えがまとまらないし,まとめている時間もない*1から,とりあえずメモだけ置いておこう。きっといつか,もっとちゃんと考えるときが来るでしょう。

*1:こういうむつかしいことを考え始めるとすぐに眠くなってしまうのがいけないところだ…。

『「学び」を問いつづけて』『「学ぶ」ということの意味』(佐伯胖著)

「学び」を問いつづけて―授業改革の原点

「学び」を問いつづけて―授業改革の原点

「学ぶ」ということの意味 (子どもと教育)

「学ぶ」ということの意味 (子どもと教育)


読了。
最近学校外の教育プログラムに参加することがあって,はたして「学び」ってなんなんだろう,とぐるぐる迷ってしまっていたので,「とりあえず佐伯胖読んだら」というアドヴァイスに従って,読んでみました。

面白かった。が,それをじゃあ自分の実践に活かせるかと言われると,ううむ,ううむ。

とりあえず学校の図書館に入れてもらって,機を見て読み返そうかなと思います。笑

何かを「学ぶ」というのは,本来的にはその本人と「環境」との相互作用である,というのは,理念としては理解しているつもりだけど,それがじゃあどうしようか,というと。。

たとえばこんな指摘も,首肯しつつ,我が身を省みると罰悪く黙り込もうとする自分がいる。

 極端な言い方かもしれないが,「学校体育」がもっている(もしくは,そうなりがちの)制約として,(1)強制的参加,(2)学習者の「能力」評価(「やろうとしてももともとデキない」か「やればどんなことでもみごとにデキる」かの判定),(3)受講拒否の非正当化,(4)「上達責任」の本人への帰属,の以上四点こそ,「学校体育」をつらいもの,つまらないものにしている原因ではないだろうか。人々は成人してこれから「解放される」だけで,いきいきとしはじめ,自分からからだを動かしはじめ,いろいろなスポーツを楽しみはじめる。
 しかし,考えてみると,この四つの制約というのは,どんな学習においても「やる気をなくさせる」条件として働くものである。(『「学び」を問いつづけて』p.372)

ね。

p.335から紹介されている「学習者像」の3つ(粘土モデル*1・作物モデル*2・材料モデル*3)や,「知識」の3モデル(事例モデル*4・手順モデル*5・状況モデル*6)なんていう分類は,勉強にはなるなと思えど,それを目の前の状況に下ろすのはまだまだ,って感じ。この辺り,いろんな人たちと話し合ってみたいなあ。

*1:子どもを粘土のようにいかような形にでも変えうるとするモデル

*2:粘土をこねまわすような教育は本来的ではなく,教師は「こやし」に徹し,自ら成長していく子どもの自然さを妨げてはならないとするモデル

*3:知識技能を身につけさせるための学校制度が発展した後の,「巨大な印刷工場」で「ムリなくムダなくムラなく」「印刷」されるべき材料として子どもをみなすモデル

*4:ここでは「学ぶ」=「新しい事例をおぼえる」

*5:ここでは「学ぶ」=「やり方をおぼえる」

*6:「知識」=「『善さ』を『問いつづけている状態』」であり,「学ぶ」とは「問い直しつづけている状態」

アキレス腱断裂―テニス部顧問がバドミントンをするから―

アキレス腱,切っちゃいました。
顧問の数が少ないバドミントン部の合宿にヘルプに行って,テニスが専門*1なので,外様だったわけです。
しかしみてると色々な違いが見えてきて面白い。

バドミントンのがやりやすいなーと思った点は,

  • 1面に6人入って練習可能
  • シャトルが散らばらない(テニスだとボールがネットやら後ろやらにたまって危ない)
  • レベル差がある程度あっても練習が成立する
  • 1面の面積ももちろん小さいから,たくさんの面が取れる

これは競技特性だけど,他にも顧問の工夫等々で,かなりシステマティックに強くなる道筋がつくられているようにみえた。「定番」があると強いよね。

また,これもバド部顧問に言われて気づいたテニスとバドミントンの違いだけど,
基本的にバドミントンは届く・取れることが前提とされている。取れないのは君のフットワークが悪い,と。
たしかにコートが狭いもんなあ。「上手い人はコートのどこでも2歩で届く」なんて言われるけど,そのとおりかも。
そしてバドミントンは,まったくの初心者でもとりあえずラリーが続くことからも分かるとおり,「届く」ことの重要性が高い。「うまく打つ」はその後,という感じ。
テニスは逆に,打点に入れてもうまく打てないことがある。「うまく打つ」がまず先にあって,「届く」はその後,って感じなのかな。

ということでバドミントン部はフットワークの練習にかなり時間を使っている。前半2時間くらいアップ+フットワークだった気がする。バド部顧問に自分のフットワーク練を撮っていただいたところ,ううむ,これはテニスの動きだ。足をこまめに動かしすぎている。
そして上手い人を眺めていると,だんだんわかってくるわけですね。そうか,左足をここに置けばあとは右足踏み込むだけでネット際の取れるな,とか。

それで面白くなってるうちにねー。やっちまいましたね,アキレス腱。
はじめは後ろからボールをアキレス腱に当てられたかと思ってふり返ったんだけど,周りの生徒が不思議そうな顔*2。そりゃそうだよね,ボールなんて使ってないものね。この時点でああやっちまった感に襲われる。

その後は近くの病院→遠くの病院→固定→宿舎で寝る→車で東京搬送*3→即日入院→翌日手術→翌日退院,と怒涛。ここまでの処置は最短で来てる感じあるから,早く治したいなー。
にしても人生初手術ややっぱり怖かった。下半身だけ麻酔打つんだけど,虫歯の麻酔のあの感じが下半身全体に広がるのは気持ち悪かった。笑 前後にはいろんなところに「つながり」を求めて,家族にも友だちにも支えられて,本当に有難い限り。持つべきものはって感じ。

合宿からの強制送還直前,生徒に「足引っ張ってごめんなさい」と謝りつつ,「うまい人を見ながら,『こうやればもっと自分もうまくなれるかも』と新しい動きに挑戦したら,体がついていっていませんでした。みなさんも合宿中新しいことにどんどん挑戦すると思いますが,くれぐれも怪我には気をつけてください」と,体の奥底から出る本心を述べて帰ってきました。はあ情けないなあ。

その後,諸々のお仕事を他の先生に押し付けてしまっているので,復帰次第しっかり借りを返していかないと。がんばろう,新学期。

*1:ってそんながっつりやってるわけではなく,多少嗜む顧問,程度の意味だけど。

*2:今考えると,切れる「音」を聞いたんだろうな彼は。。汗

*3:送ってくれた先生に大感謝…!!

(これまで)ご恵贈いただいた本

【新形式問題対応】TOEIC L & Rテスト600点攻略ルールブック

【新形式問題対応】TOEIC L & Rテスト600点攻略ルールブック

【新形式問題対応】TOEIC L & Rテスト800点攻略ルールブック

【新形式問題対応】TOEIC L & Rテスト800点攻略ルールブック

上記2冊を,著者の石井先生よりご恵贈頂きました。
しっかり読んで勉強させていただきます。ありがとうございました!

そして,今までにも何冊かご恵贈頂いた本があったのですが,
こうしたブログ記事にまとめてきませんでした。
お詫び申し上げるとともに,今後はきちんとご紹介していこうと考えております。

(以下,これまでにご恵贈頂いた書籍です。抜け漏れがもしもございましたら申し訳ございません。)

「意味順」で学ぶ英会話

「意味順」で学ぶ英会話

クイズでマスターするGSL基本英単語2000

クイズでマスターするGSL基本英単語2000

これらはたびたび参照して,授業づくり・英語学習の参考にしております。本当にありがとうございますm(_ _)m

お役立ちショートカッツ

授業プリントや期末試験を作成している。ガシガシ作成しなくてはならない。
ほんで思うのが,英語の場合*1,「よし,こういう問題にしよう」と思ってから,その問題を紙に落とすまでが遠い。
たとえば,「よし,この文のここを並べ替えにしよう」と決めても,それから実際に並べ替え問題の体をなすまでが長い。
他にも細かいところで言えば,「よし,この文字を四角で囲もう」と思っても,マウスの移動がめんどうくさかったりする。

この前参加した小布施若者会議では,驚いたことはたくさんあったのだけど,実務的なところでいうと,コンサルをやってる人たちのパワポ作成の速さにびっくらこいた。自分も,右クリック→コピーを選択→別のところにカーソル移動→右クリック→貼り付けを選択,とする人に「Ctrl+CとかCtrl+P使ってよ!」とイライラすることがあるけれど,その人からみたら,自分も,自分がイライラしている相手も,まさに五十歩百歩なんだろうなあと思わされた。

ということで,Windowsを使っている時は,わりとショートカットが充実しているわけだし,ちゃんと使えるものは使おう,と思っています。

たとえば上で書いた,文字の四角囲み。これはまず単語を選択して,Alt→H(ホームタブの選択)→FBを押すと四角で囲める。マウスの微妙な移動がなくなるだけで,わりかし快適。

さらにその上に書いた,並べ替え問題の作成。
たとえば "I have a pen" を(a / have / I / pen)とする時に,わざわざ手打ちをしたくない。手動で文字を動かしたくない。

さがしたら,段落の並び替えってボタンがあるんですね。以下の手順に従えば,わりかし楽ちん*2

  1. 並べ替えたい部分を選択
    1. 文頭も小文字にしておくとよい。
  2. Ctrl+Hで置換ウインドウを開き,まず「オプション」(Alt+M)から「あいまい検索」のチェックを外す(Alt+J)。
  3. " "(半角スペース)を"^p"(改行記号)で置換。
    1. これにより,文が単語ごとに改行されて段落になる。
    2. その前に,別単語扱いしくなたい単語同士はハイフンでつなぐなどしておくとよい。
  4. 次に,ホームタブの並べ替えボタンを押す。(Alt→H→SO)
  5. そのままEnterを押すと,段落がアルファベット順に並び替わる。
  6. 再びCtrl+Hで置換ウインドウを開き,今度は"^p"を" "で置換する。
  7. 完成!

本当は並べ替えマクロとか自作しようと思ったけど,凝りすぎると結局使い勝手悪くなるからな。
とりあえずはこれで満足しておこう*3

適当な記事だけど,備忘録くらいにはなるといいな。

*1:まあどの科もそうな気がするけど。笑

*2:おそらくこの手順をマクロに登録すればまた楽になるんだろう。

*3:いずれこれに選択肢を自動で振るようなマクロくらいは作ってもいいかもしれない

日本酒の「肩書」(早見表つき)

白熱日本酒教室 (星海社新書)

白熱日本酒教室 (星海社新書)

読んだ。ので,アウトプット用の記事。

日本酒にはたくさんの「肩書」があります。純米酒本醸造酒などの「特定名称酒」以外にも,「生酛四段仕込みおりがらみ無濾過生貯蔵原酒」などといった形で*1
個人的にはこういう長い肩書をみてコーフンできるかが日本酒好きかどうかの分かれ目の一つと思うのですが,まあわかりづらいのも事実。正直自分も「生」がついてるとなんかいい感じ,くらいの認識でした。笑

上に挙げた『白熱日本酒教室』は全二十の「授業」を通して日本酒の基本的な事柄を説明してくれるのですが,その中の二時間目(p.30)および五時間目(p.71)というかなり序盤に,「特別名称」「その他の肩書」の説明をしています。

色々なチェックポイントがあるのですが,せっかくなので,質問に答えていったら「肩書」が分かるようなGoogle スプレッドシートを作成しました。

日本酒の「肩書」ver.1_170101 - Google スプレッドシート

水色の色付きセルのみ編集可能です。いろいろ動かしてみてください。また,左上「ファイル」→「コピーを作成」で自分のGoogle Driveにコピーを作ることができます。

フローチャートを作りながら謎だったのが,

  1. 吟醸酒大吟醸酒とその他を分けるのは,造りなのか,精米歩合なのか。「吟醸造り」という丁寧な造りのものが吟醸酒大吟醸酒らしいが,精米歩合で分かれると聞いたこともある。本書の表中でも「50%以下・吟醸造り」が大吟醸酒と書いてあり,どちらが鍵になっているか分かりづらい。これは,精米歩合の高いお酒はほぼ全て吟醸造りで造られる,ということなのだろうか。
  2. 「にごり」でかつ「おりがらみ」というのはあり得るのか。Qの6-8が共起しうるのか,という疑問だけど,「無濾過」でかつ「おりがらみ」ってのはあるみたいだから,共起できるものもありそう。

詳しい人,ぜひコメントをお願い致します。また,シートの不具合も同じく教えてもらえたら有り難いです。

それでは,良い日本酒ライフを*2

*1:この本では「名前」という呼び方をしていましたが,そうすると「獺祭」「常きげん」などの銘柄の名前と混同しやすいかなと思い,ここでは「肩書」と呼んでみました

*2:「良い日本酒ライフ」で言えば,この前石川県は加賀市に行って,「常きげん」で有名な鹿野酒造に行ってきました。「Kiss of Fire」という,ノーベル賞のパーティでも飲まれたことのある純米大吟醸,うまかったなあ…!! Amazonでも売ってる!

新年の目標2017

今日立てないと2017年の目標は永遠に立たないのではないか。そう思うとなんだかもったいなく感じてしまうので書いてみる。とはいえ,あんまり決まっていないんだなあ。

  • 英語

◯毎日英文日記の習慣が消し飛んでしまった。復活させるべきか,思案中。自分の中にある表現で間に合わせる練習になりがちだけど,今の自分に必要なのはもっと表現のストックを増やすこと(≒インプット)なんじゃないか。そう考えると,もう少し英語の読書を増やさなくちゃね。それに関して言うと,自分が読むものがニュースとかおかたい文章に偏っているから,物語ももそっと読んでいきたい。月一洋書,と言っている人がいたけど,それくらい頑張りたいなあ。
◯というわけで,以下の本を今月中に読み切ることを目標に…!!

Exploring Grammar in Context: Upper-Intermediate and Advanced

Exploring Grammar in Context: Upper-Intermediate and Advanced

英文法の問題点―英語の感覚

英文法の問題点―英語の感覚

積読の中から英語教育系のをいくつか。とても一年では読み切れないけど,どこに何が書いてあるかくらい知っておかないとそれこそ持ち腐れだよね。

  • 授業

◯来年度は初めての高3ということで,探り探りになりそう。…ただこれまでも探り探りだったのでそこはあんまり変わらないか。笑
◯去年はオバマ広島スピーチとかアメリカ大統領選とかの時事ネタを多めに扱って,それが好評だった人もいたみたい*1。ただ,いつまでも時事ネタが使えるわけではないと思うので,系統的なというか,くり返し使える系の教材づくりにも手を伸ばしたいところ。

  • 学校

◯海外進学支援に強くなる。去年は海外進学に関する奨学金の手続きを仰せつかってやってたけど,この辺は教員としての自分の強みと言えるように,色々勉強していきたい。他に,推薦文頼まれたりしたからきっちり書けるようにしておかないとね。
◯顧問をしている硬式テニス部の全容をしっかり把握する。年間スケジュールをしっかり把握して,事務的なことは余裕を持ってこなしておいて,自分がコートに出る時間を少しでも確保したい。基本的にはただ混ぜてもらいつつ,ツボを押さえたアドバイスもできるようになりたいところだねえ。
◯初めての高三,初めての「卒業生」ってことで,何が起こるか分からないけど,学年で起こる様々なことに対して,楽しみながら貢献できたらいいな。

  • その他

◯舞台に立つことをしたいなあ。そこそこコントをみてるけど,Youtubeで,みるべきでない時間にみてたりすることもあるから,そうじゃなくてしっかり時間取ってよしもと観に行くとかもっとしたい。そんでそういうinputを確保した上で,outputも,ね!
◯プライヴェットの時間をしっかり取る。あんまり趣味を広げたいとは思わないけど,今持っている趣味にしっかり時間をかけたい。…とはいえ,テニス・ポルノ・日本酒くらいか。笑
◯そういう意味では,「英語落語」というジャンルに興味があったりする。いい具合に自分の趣味が合わさる気がするんだよなー。笑
◯そうだそうだ,あとは出版系のお仕事もいくつか打診されているんだった。実力不足から来るお蔵入り,なんてことにならないように,がんばっていこう…!!

*1:わざわざ年賀状にそう書いてくれた生徒も。返信してないけれど,多謝!