さんだーさんだ!(ブログ版)

2015年度より中高英語教員になりました。2020年度開校の幼小中混在校で働いています。

クラス替え

クラス替え直後です。どの授業も,多かれ少なかれ探り探りです。

生徒の立場からすると,
対周りの生徒:初対面も多い
対教員:一年終わって慣れてる
ってんで,なんとなく彼らの感じているやりづらさがこっちに向かってきているような,いないような。

しかし高2になると,色々な点で成長したなあと思うことが多い。運動会の力なのかもしれない*1


英語係というものを設定している。授業で使うスクリーンやら出席簿やらを運んでもらうという係で,「社畜」なんて読んでいる生徒もいる。笑

先学期までは,じゃんけんとかランダムで決めるクラスが多かったんだけど,今学期はほとんどのクラスでなんだかんだ立候補が出ている。素晴らしいこと。
特に感動したのが,手を挙げて「僕やりたいです」って言った生徒がいたこと。


…いや,何が感動か分からない人用に解説しておくと,普通やりたがる係じゃないからね。めんどくさいし。
だから普通は「僕やります」って言うわけだし,それはそれでとてもありがたいこと。
で,そこで「やりたいです」と言われたことに感動したわけね。
ただ,彼がその係をやりたがっていることに感動した!ってほど僕はnaiveではない*2。そういう言葉遣いを選べるということに感動したわけです。
まあこれが「成長」なのか,彼がそもそもそういう配慮(?)ができる生徒なのかは,ちょっとよくわからないのだけど。

「ホームグループ」なるものも定めて,はてさてどうなるか,といったところ。

ということで,2年目,始まりはじまり。楽しみだなあ。

*1:違うのかもしれない。よくわからない

*2:や,もしかしたら本心からやりたがっていたのかもしれないし,それはそれでもちろん嬉しい

「リリーのすべて」観てきました。

観てきました。,「リリーのすべて」。
映画『リリーのすべて』公式サイト 2016.3.18[FRI] ROADSHOW
原題は”The Danish Girl,” which I believe is a better title.

「世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベの実話に基づく勇気と愛の物語。命の危険を冒してでも自分らしく生きることを望んだ主人公と、その一番の理解者であり続けた妻が織りなす魂の触れ合いのドラマを、心揺さぶる演技と演出で綴りあげた感動の大作」(上のHPから引用)
何よりこの主演のエディ・レッドメインの演技が神がかってる。女性性に目覚めて「上達」していく過程が克明に描かれてて,スゴいなあと。

一言で言えばトランスジェンダーLGBTのT)の話で,アイナーという男性の中にリリーという女性が目覚めて,その存在が大きくなって,アイナーも困惑するし,その妻ゲルダももっと困惑する。
途中,リリーが女性として好きになりかけていた男性に「アイナー」と囁かれて激しく拒絶するシーンがある。この相手の男性は同性愛者(LGBTのG)で,リリーにとっては,自分ではない他者を愛していると感じられて幻滅したってことだろう。この辺りは性的マイノリティーの理解を深めるのに使えるなーなんて,くだらない「先生」みたいなことを考えていた。

それよりもっとくだらないなと思えどもきっと一生治らないなと思うのが,洋画を観るとどうしても英語表現に目と耳が行ってしまうところ。
たとえば,「余計な真似しないで」と訳されていた台詞がありました。さて,訳せますか?4語で。




「正解」は,“Stay out of it!”でした。どの語も知ってるけど,サッと出てくるかはアヤシイよなーと。
その直前の「(私より売れてるからって)私のことを画商に口利きしないでもらえる?」ってのが “Could you please not speak to Rasmussen about me again?”なのも,慇懃な丁寧表現って感じね。

あと言語的に面白いなあと思ったのが,翻訳の問題。EinarとLiliがひとりの人の中に混在していて,それは"I"と言っている間は別に表面化してこない。しかしそれを日本語に直す時に,「僕」「私」どちらで訳すかで,決定的な違いが生まれているように思った。というか,どちらかに決めざるを得ないってのがつらいんじゃないか。どちらとも決めかねている時でもなんとか表現できる"I"の英語と,翻訳者の「読み」にしたがってどちらかの立場を表明せざるを得ない「私」「僕」の日本語。自分がこの話訳すとしたら,なるべく一人称出さないようにするのかもなあ。


それでですね。こんなくだらないことは置いておいて,観ながら本当に感動してしまったシーンだけ紹介しておきたいなと思います。
唯一この「病気」について理解を示してくれた婦人科医の元に夫婦で訪れたアイナーとゲルダ。以下の会話。

Warnekros(婦人科医): So what do you think would explain what you’ve been experiencing Mr Wegener?
Wegener: Professor Warnekros… the fact is… I believe that I'm a woman (inside)*1.
Garda: And I believe it too.

この最後の5語ね!

この動画の2分16秒あたりからそのシーンが観られるけど,このゲルダの演技と台詞。夫の台詞,絶対予期してたはずだけどそれでもやっぱりビクッと反応してしまって,それでもこの台詞を毅然として言い放つ。気高さというか,尊さというか,得難さというか。どんだけ悩んだんだろうね。

ということで,徹頭徹尾ゲルダを応援しながら観ていました。

結局アイナーは性転換手術を受けることにするんだけど,そのくだりも素晴らしくて,

Warnekros: An irreversible change, and a high risk of failure, of infection, complications.
Gerda: It's too dangerous...
Einar: It's my only hope.

アイナーが「死んで」,完全にリリーになってしまった元夫は,自分の道を歩き始める。

Lili: For goodness’ sake, Gerda - Einar is dead. We both have to accept that. You took care of me, now I have to take care of myself. I have to have a life of my own. And you need to do the same.

これ,言われたくないよなあ。たしかこの"same"という言い方も,なんだかいやらしい感じがした。
脳死と判定された人は二度と目覚めないと知ってても,その家族はやっぱり何か期待しちゃう,みたいな感じで,目の前の「その人」は,姿形は夫そのままなんだもんなあ。内面やら化粧やらはどう変わろうが。

日記冒頭で,邦題より原題のがいいと思うと書いたけど,それはやっぱり”The Danish Girl”が本当にLiliだけを指していたのかって話で,やっぱり個人的にはGerdaも”The Danish Girl”なんだと思う。誰を主人公と観るか,色々面白い映画だと思いました!
あと,さすがに画家をテーマにしている映画だけあって,映像美にもそうとうこだわっている。「温度や湿度が伝わる画になっている」と評価している人もいて,なるほどなあと*2

*1:ネットに落ちてたスクリーンプレイにはinsideという語があったけど,上の動画の中にはみられない。ミスなのかな。

*2:というか英語表現なんかに着目して観ている自分が恥ずかしくなるよね。もっと映画の画自体に着目できるようになりたいもんだ

小問は9点以下に?

はいどうも。

なんとか採点が終わりましてですね。
点数入力もとりあえず終わって,一安心しているところであります。

そこでちょっと思ったことを,備忘録的にメモ。

氏名 大問1 大問2 大問3 大問4 大問5 合計
Aくん 1 2 3 4 5 15
Bくん 3 8 4 2 5 22

普通なら,Aくんの欄は,1→tab→2→tab→3→tab→4→tab→5となる。合計欄にはもちろん=SUM()的なのを入れておきます。
この,tabが面倒くさい*1
そこで,

氏名 大問1 大問2 大問3 大問4 大問5 合計 大問1-5
Aくん 12345
Bくん 38425

とすれば,

氏名 大問1 大問2 大問3 大問4 大問5 合計 大問1-5
Aくん 1 2 3 4 5 15 12345
Bくん 3 8 4 2 5 22 38425

となるようにしたい。してみた。以下,12345のセルを【H2】として,Aくんの大問1をB2,大問2をC2〜大問5をF2,合計をG2セルとして説明。

まず,大問5の欄(=F2セル)には,

=mod(H2,10)

と入力。すると,H2を10で割った余り,5が返ってくる。

次に大問4は,

=(mod(H2,100)-F2)/10

12345を100で割った余りの45から,5を引いて,10で割る。4が得られる。

次に大問3は,

=(mod(H2,1000)-mod(H2,100))/100

12345を1000で割った余りの345から,12345を100で割った余りの45を引いて,100で割る。3が得られる。

以下同様に,次に大問2は,

=(mod(H2,10000)-mod(H2,1000))/1000

最後に大問1は,

=(mod(H2,100000)-mod(H2,10000))/10000

わりかし綺麗にできましたね!
それで今回失敗したのは,小問の合計点が2桁になっている問題を多くしちゃったってことね。
すると上を応用すれば出来なくはないんだけど,大問1が10点満点,2が15点満点,3が8点満点とかだと,
10158ならいいんだけど,04052とかになると,毎度0を打つのが億劫。そもそも10点満点の問いで10点取る人,そんなにいないわけだから,ほぼ毎回0を押していて,これならtabキー押すのと変わらないかも,なんて思っちゃったわけです。

しかし,小問の合計点を9点以下にしておけば,全て1桁だから非常にやりやすくなるはず。
だから今後は,大問自体は10点以上配点があっても,採点時は細かく1桁で収まる範囲に区切っておいた方がいいかな,と改めて。

エクセリストへの道のりは険しい。そんじゃーね。

[160328追記]
コメント欄に素晴らしい情報をいただいてたので,追記。
大問1から5をそれぞれ,
=MID($H$2, 1, 1)*1
=MID($H$2, 2, 1)*1
=MID($H$2, 3, 1)*1
=MID($H$2, 4, 1)*1
=MID($H$2, 5, 1)*1
でいけるらしい。最後に”*1”をしないと文字列扱いになっちゃうけど,この”*1”のおかげで数値扱いになるらしい。
普通にまったく知らなかった。ありがとうございました。

*1:ちなみに矢印キーでなくtabキーで移動しておくと,大問5の入力が終わってEnterを押した時に,真下じゃなく,tabを押し始めたところ(=大問1の列)の一段下に自動的にカーソルが移動してくれるので便利。

塾の煽りと謎の怒り

現在期末試験のまっただ中です。監督をしつつ机の中に入ってた塾の広告を見る。
…それでじわじわとなんだかムカついてきてしまったのでこの日記を書いているわけです。

As there are persons in the world of so mean and abject a spirit, that they rather choose to owe their subsistence to the charity of others, than by industry to acquire some property of their own; so there are many more who may be called mere beggars with regard to opinions.

この英文の横には,「1年間の学習を経て,辞書なしに次のような英文を読みこなすことが可能になります」だってさ。

いやいやいや,さすがに難しすぎるでしょ。abjectとか。
試しにweblio辞書でこの単語を引いてみると,「英検:1級以上合格に覚えておきたい単語」とある。てことはこの塾に通った高1生は,英検1級合格レベルの英語力なの?多分それなら残り2年通う必要なくない?笑 もちろん,mean and abjectとつながっているから形容詞で,meanと同じような意味,というテクニカルな読みはできると思うけど,わざわざ「辞書なしに」って書いてるんだから,そういうテクニックではなく完璧な単語力を,という雰囲気を感じる。

あとそもそも,本当にこんな英文が入試で出てるのかも謎。この塾の方針として,「ただ,解ければ良いというのではな」いとか広告には謳っているから,きっと「ペラペラ話せる英語力(だけ)ではなく,骨太の読解もこなせる英語力」みたいなことなんだろうとは思うけど。
誰かのツイートにもあったけど,

本当に謎なんだよな。以下詳しく書いていくけど,個人的にはこの英文をこの切り取り方で提示するのは「ズル」で,それで生徒の危機感を煽ってるようなところに生徒が通って,どういう指導するかは分からないけど宿題やらなんやらで縛られて*1,結果として学校での授業をはじめとした諸々が疎かになるとしたら。

そうなんだよな。やっとここに来て,なんでこれを読んだ自分がムカムカきたか分かってきた。自分が負けているからなんだよな。結局のところ,この提示はズルいとかなんだとか俺が言ったところで,「へー」とか思いながらいろんな塾に通って,真に受けて,授業中に内職する生徒が一定数いる。そしてそれは,端的に俺の授業力の問題なんだろうと思う*2。悔しく,恥ずかしい話だ。


てことで,「グダグダ言ってるけど,この英文読めないのかよww」と思われるのも癪なので,以下一応解釈。

【訳】
世の中には非常に卑しい(mean),ひどくザンネンな(abject)根性の持ち主がいて,自分の生活を他人からの施しで賄おうと決めてしまって,自助努力でもって(by industry)何がしかの財産を自分のものにしようとは考えない人がいる。なので,考え(opinions)に関してはもっと多くの人が,まったくもって乞食と呼ばれうる存在なのである。

【解釈】
in the world of ~とは取らない,というのが最初の壁だろう。”persons of so mean and abject a spirit”というかたまりに,”in the world: この世界の中には”が挿入されている。 “so mean and abject a spirit“は,語順注意。so/as/how/too + 形容詞 + a/an + 名詞ってやつですね。(普通はa/an + 形容詞 + 名詞ですね,一応。)
そして,このsoと後ろのthatがつながって, I love her so much that I’m willing to give her all I have.みたいな感じで,どれくらい卑しいか,がthat以下に示される。
このthatの中,つまりどれくらい卑しくて,ザンネンかというと,の中に,”rather A than B”が入っている。「BじゃなくてAしちゃう」って感じね。それでAは “choose to owe their subsistence to the charity of others”で,Bは “by industry to acquire some property of their own”。
Aの中をみると,choose to doでdoすることを選ぶ。これはまあいいか。
あとは”owe B to A”で,「AにBをもらっている」。「自分の生活(に必要な物資: their subsistence)を,他者の施し(charity of others)でまかなっている」と。
続いてB。by industryが,industryが多義語だから厄介ね。ここは “industrious: 勤勉な”,あたりからの連想で,industryを勤勉,と捉えましょう。文脈的に「産業」ではおかしいですね。
勤勉さでもって何をするかというと,to acquire some property of their own。つまり,their own property(自分の財産)を,some,つまりある程度の量,acquire ≒ getする,と。真面目に働いてお金を稼ぐ,的な意味だと思います。

はー長かった。この辺りで,では一回第一文を読んでみましょう。セミコロン;の前までね。最初のAsは理由ですかね。たくさんいるから,だから,とセミコロンの後のsoにつながっていく。

ではso there are many more who may be called mere beggars with regard to opinionsですね。
many more は one more thing, two more things, many more thingsと考えるとわかりやすいでしょう。1つ多い,2つ多い,たくさん多い,と。つまり前段で述べた,人から施しをもらって生活する人の数と,これから説明する「知的乞食」の数を比べると,後者のがはるかに多いよ,ということですね。
many more “people”くらいの単語を頭の中で補ってあげて,それがどんな人かというと,mere beggarsと呼ばれうる存在なんですね。mere beggars。完全なる乞食。まったくもって乞食。ただの乞食。
with regard to Aは,「Aに関して」。重要な熟語ですねー。で,Aはopinions,すなわち考えとか,思想,思考。
複雑に入り組んでいましたが,前段は物理的な乞食,後半は精神的な乞食,で,後者のが多い,という文章でした。チャンチャン。



…ってこれもね。あたかも初読からスラスラ解釈していったかのように書いたけど,当然そんなわけはなくて,ここまでスッキリわかったように見せられるのも,前後の文章を自分で確認したからなわけですよ。(後述)
それを見せないでおいてこの切れ端を示して,「これが読めますか?うちに来れば読めるようになりますよ?」って方法は,やっぱりunfairに映る。

それで,以下【愚痴】*3
初読では,普通に「乞食dis」みたいな文章かと思って気分が悪かった。ノブリス・オブリージュなんて言うつもりはないけど,特にこの塾が対象にしているような学校の生徒に,社会的弱者に対する偏見を助長させる文を読ませてどうするの?と。

それは個人的な考えにすぎるとしても,この切り取り方はどうなの?? ”so”って言われても「なんで?」って感じなんですけど。

ググってみたらどうやら,トマス・リード(Thomas Reid)という哲学者の文章らしい。 "Essays on the powers of the human mind: An essay on quantity. An analysis of Aristotl's logic"だって。
Essays on the powers of the human mind: An essay on quantity. An analysis of ... - Thomas Reid - Google ブックス

原文には,最後のopinionsの前にtheirが入っている。こっちのが分かりやすいかな*4。直前直後の段落を引用してみる。

【この章のテーマ】
人の判断を誤らせるもの,としてidols tribes, idol spicus, idol for, idol theatreというのが挙げられている。これはフランシス・ベーコンの術語で,「実在の正しい把握を妨げ,無知と偏見の原因となる要因」なんだって。そのうちの一つ,idol tribesの説明の中で,

1. First, Men are prone to be led too much by authority in their opinions.

とある。 be prone to do: doする傾向がある,ってんで,「自身の考えに関しては,権威(authority)に導かれてしまいがちである。」「自分の考えを形作る際に,権威を盲信しすぎることがしばしばある。」的な感じか。
これは必要でしょ!今回の部分を読解するにあたって,上に挙げたテーマに触れずにしれっとあの部分だけ読ませるのは意味がわからなくなっちゃうよ!*5

【直前】

The love of truth is natural to man, and strong in every well-disposed mind. But it may be overborne by party-zeal, by vanity, by the desire of victory, or even by laziness. When it is superior to these, it is a manly virtue, and requires the exercise of industry, fortitude, self-denial, candour, and openness to conviction.

【直前:解釈】
真実を愛するのは人にとって自然なことであり,全てのよき精神の中に強く根付いている。しかし,この真実への愛は,華やかさを好む心*6や,うぬぼれ,虚栄心,時には怠惰心によってくじけてしまうことがある。これらに打ち勝って初めて,真実への愛は人の*7美徳となるのだ。真実の愛には,勤勉・忍耐・禁欲・率直さ・信念に対する寛容を駆使することが必要である。


【直後(引用部と同じ段落の続き)】

Through laziness and indifference about truth, they leave to others the drudgery of digging for this commodity: they can have enough at second hand to serve their occasions. Their concern is not to know what is true, but what is said and thought on such subjects; and their understanding, like their clothes, is cut according to the fashion.

【直後:解釈】
そういう人々(上で解釈した「精神的な乞食」ですね)は,怠惰であったり真実に対して無関心であったりするせいで,(真実という)この価値あるものを探し求める骨折り仕事を他人に任せてしまう。自分たちは「お下がり」で十分だというのだ*8。彼らにとって重要なのは,何が真実か,ではなく,何がそのトピックについて言われているか・考えられているか,ということなのだ。そして彼らの知識というのは,彼らのファッション(their clothes)と同じように,流行に(the fashion)に乗っかって切り貼りされるのだ。

ということで,この文章は,「知的怠惰」とでも呼ぶべき姿勢*9を厳しく戒める文章,ということができそう。

チラシに載っていた部分は,前半部は「喩え」なわけで,それならそれが分かるような文脈を示してあげないと,普通に「乞食dis+『opinionsについても乞食と呼ばれうる人がいるぞ』という謎の主張」で終わっていまいちピンと来ない。


【さらなる愚痴】
とまあこうやって解釈してきましたが,まあ楽だよね。ムズカシイ英文を,文脈から切り離して読ませて,教員側は前後の文脈も踏まえてしっかり予習をして,「これ知ってます?知らない?あらあ残念。こういう意味なんですよ」ってのは。俺は個人的に「知識でぶん殴る」系の授業って呼んでるけど,まあ楽。ちょっと調べれば,こっちの貯金もあるし,なんとかなる。
ただ改めて思ったのは,知識でぶん殴って生徒煽って「ヤバいこの英文分からない俺は勉強が足りないのかも」って思わせる手法,本当に好きじゃないんだよなあ。


書きぶりからして分かる通り,なんだかイライラしている一番の原因は,じゃあかくいう自分は,そういう授業に対する有効な対案をしっかり示せているのか?っていうところ。本当に情けなく,恥ずかしい話だ。
あと生徒の中にも,「知識でぶん殴られる」ことを望んでいる生徒がいるというか,勉強ってなそんなもんだよねと思ってる人もいるみたいだけど,こと英語に関しては絶対にそうじゃないと俺自身が信じているから*10,なんだかひどくもどかしいなあと思う今日この頃なのであります。急速にクールダウンして,さあこの辺でやめておこう。採点さいてん祭典!

*1:どれくらい宿題出すのか知らないけど,英検1級レベルの単語も分かるようになる,と考えたら,けっこうなもんだろう,という推測。

*2:この辺はいずれ,「生徒のしつけの問題」と変わっていくかもしれないけれどw

*3:だいぶ前から愚痴は始まってた気がするけどw

*4:とはいえこれは俺がチラシから写し間違えている可能性もある

*5:もちろん,実際の授業ではその辺カバーしてるんだろうし,今回はチラシの紙幅の都合で削除されてる,とも考えられるけど,それにしても!(ブツブツ

*6:party-zealは自信ないな。。

*7:manlyは基本的には「男らしい」ってことみたいだけど,別に男に結びつける必要はないような。

*8:occasionsが訳しづらいのでごまかすw

*9:反知性主義?なんて言葉も浮かんだけど,よく知らないから深入りはしないw

*10:もっと言えば言語一般そうだろう,と思う。だから古文とか漢文に「古作文」「漢作文」がないのは本当に謎なんだけど,これまた別の話すぎるなww

最近のお買い物・Evidence Based...・リスニング

昨日授業後のプリント配布を手伝ってもらった生徒に「最近ブログ書いてないですよね」と言われたので,書く。タスクは早めに(ハードル低いうちに)撃っとく主義。だから個別には記事にできなそうな小ネタを3つ盛り合わせてお茶を濁す。

最近買ってよかったもの

手のひらサイズで,音量もよし。何より安い。2,000円て。bluetooth時よりは音量小さいけど,有線でも使える。だからCDデッキ持ってくより,ポータブルCDプレイヤーとこれを持ってく方が軽くていいのでは。

Evidence Based…??

覚え書き:「エビデンス・ベースド」な教育政策の意義と問題点 | あすこまっ!を読んだ。ここに紹介されているこの本は,大学院時代にちょっと読んだことがある。EBE(Evidence Based Education)ってなんなんだろうね。

教育研究とエビデンス −国際的動向と日本の現状と課題

教育研究とエビデンス −国際的動向と日本の現状と課題

…自分でブログも書いていた(忘れていた)。
thunder0512.hatenablog.com


アメリカでEBEの考えが浸透しているのは,「学校の役割は学力向上」という考えが(日本に比べればはるかに)浸透しているからってのもあるらしい。NCLB(No Child Left Behind: 落ちこぼれゼロ)法の内容を読んでも学力の話が中心。あとアメリカの場合は校長の権限が強い,とも聞いた。ガガガガッとトップダウンで学校改革できる風土がある,と。日本の場合は,まあ現場の「抵抗勢力」が強そうね。笑

あとこの件に関して思うのが,AをするよりBをする方が効果的!ってエビデンスがあったとして(例えば単語は書いて覚えるより音読して覚えた方が効果的!とか),それは決して「全ての生徒に対して」AよりBがいいわけではない。もちろん常にAを使うよりはBのがいい,と思いつつ,理想的には「Aが合う子にはAを,Bが合う子にはBを」なのは間違いない*1。だから「AよりB」みたいなのを「原則」として頭に入れておくのはとても重要だと思う一方で,「Aやってるのかよワロスww」みたいな,エビデンスで実践をしばく方向に行っちゃいけないよな,とも思う。
全ての生徒に画一的に,よいとされているBを押し付ける先生と,
生徒を見ながら色々な方法,それこそAでもBでもないCやらDやらαやら,をくり出せる先生と,どっちがいいのか,一概には言えないでしょう?と。

究極の問いとしては,「効果的なエビデンスを全て詰め込んだ自動課題生成ロボットと比べて,あなたは何が優れているの??」って話なんだよな。
「これからの教員はファシリテーター」っていう言い方も,共感するところもあるけど,完全には乗り切れていない。


常に思うのが,あなたが教室で何をするかはあなたに任されているんだから,色々言われてへえへえ言いながら,好きなことをやればいいんじゃないの,って話。
英語の授業は英語でやれとか,こういうエビデンスがありますよとか,そういう外部の諸々は一旦あなたの頭の中に入れといて。それらに当然影響は受けるだろうけど,それに引きづられてしまってはつまらない。


さて今の問いをひっくり返して,他でもないこの「わたし」が「彼ら」の前に立つことの意味は,はたしてあるんすかね。考える間もなく1年が過ぎてしまったことよ。

リスニング

(恥ずかしながら)久々にpodcastを聞いた。色々入れてはいるんだけど,なかなか聞いてなかった。
"ways to promote pease process"みたいな文章が読まれた時,アナウンサーのwaysの/z/の音が弱くて,"waste promote"に聞こえたわけです。しかし当然ながらそんなこと言うはずないので,頭のなかで"ways to promote"に切り替える。
多分これは自分の英語力がある程度高いから,こういう変換が即座にできるんだろうなあ。
しかし同時に,音を聞いてしまっているという点でまだまだ英語力は低いんだろう,とも思う。たとえば別のpodcastを聞いていて,"from my mother"みたいに,語末の子音と次の語の語頭の子音が重なってる時,前者は読まれない,みたいな話を聞いて,そういえばよく聞いたら言ってないな,と。つまり音を聞くのは半分で,残りはもう自動的に「はいはい"from my mother"でしょ」と処理できてたってことなんだよな。ここで「"fro my mother"?ああ,fromか。」みたいな処理にはならない。
「よく聞けば分かる」ってのも当然大事だけど,生徒には,こういう「聞くまでもなく分かる」みたいなところも大事にして欲しいな,と。

よっし書き上がった。と思ったら,他の全ての仕事をなげうってしまっていた。南無三。

*1:もっと細かく言えばAとBを3:7で,とか,寝る前はA,とか無限に細かくなりそう。

生徒からの挑戦状?~英作文

前の授業も英語だったらしく,他の先生の書いた英作文のお題が残っていた。
書け書けと言われたもんだから,生徒に単語テストをさせている間,英訳してみた。

【お題】
人々の中には,実際に話したり,電話したりするのはもはや古臭いと思ってしまう人もいるほどの新しい技術を,我々は今や手にしているのだ。

…日本語がいまいちよくわからない。や,黒板に書かれていた日本語はもうちょっと意味わかった気もするけど,俺は自分が書いた英語しか覚えていなくて,それを基にお題の日本語を復元したから,ますますわけわからない。笑

【英訳(2分半)】
We now have such a new technology that makes some people believe that talking in person or on the phone is just something obsolete.

obsoleteだけ一応つづり調べさせていただいたのは秘密。なるべくミスなく・わかりやすく書こう,という意識だったと思う。

  • technologyが単数か複数かは,文脈みないと分からない,けど,複数かなー
  • 現在形で書いてもいいけど,現在完了形のがよかった気がする
  • それを言ったらacquireのがフォーマルで合ってる気もする
  • make people believeってなんかぎこちなくないか?
  • 実際に話したり電話したり,をtalkingを共通にして後半部だけで訳し分けたのは我ながらスマートかと!(ただし「実際に話」すのが何を指すかはやや不明)

【英訳(再考)】
We've acquired such new technologies that make it look obsolete to some of us to talk in person or on the phone.

うん,なかなか短くできたし,いいんじゃないでしょうか。ただここではto doじゃなくて-ingで「~すること」を表したかったところ。

ちらっと考えただけでも,やりようは他にも色々あるよね。
We've developed our technology greatly, and consequently some of us belive that talking in person or on the phone has already become out of date.とか,
Our technology is so great that some of us think that(以下同文).とか,
Because of the technology we have developed, we think talking in person or on the phone isn't cool.

世界地図覚えました

と,いうことで最近のお勉強の進捗。
世界地図をね,覚えようと思いまして。
というかまだ覚えてないの??って感じなんだけど*1
恥ずかしながら,ニュースみててもそれがどの辺りの話かってのがいまいち分からなかったり。汗

で,Anki。暗記といったら,Anki。
詳しくは,Ankiについてこれでもかと詳しい解説を載せている,the right stuffを参照してくださいって感じなんだけど,iPhone版3,000円以外はPC/Mac/Android全て無料*2の暗記ソフトで,単語帳(自作も可。ネットからほかの人が作って公開しているのを落としてもよし)をチェックして,答えがわかるかどうかに応じて4段階でマークをして,そのマークに応じて再出題されるまでの時間が決定されるという仕様。なので自分がちょうど忘れかけたタイミングでチェックされるので,非常に脳にいい感じ*3。さらにAnkiwebを使えば,各デバイス間で同期できるし,なんならwebページでも学習できる。

あわせて便利なのが*4,メジャーな内容なら基本的にデッキと呼ばれる単語帳を世界の誰かが作って公開してくれているので,非常に楽ちん。
ということで,World MapとかでDeckを探して,学習開始。それから一ヶ月くらい経って,まあ大体覚えたかなって感じなので,進捗をメモしておきます。進捗が画像で出力できるのもいいですね〜。

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最初はきつかった。そもそもAnkiは,これを使って覚えるというより,確認テストを自分に課していくようなアプリなので,全然覚えていない国がバンバン出てきて,何周しても覚えられない!という状況で,ひたすら時間がかかった。50個覚えるまで出題され続ける設定だったけど,最初は新規暗記数を減らすほうがいいかもしれない。
だんだん慣れていくにしたがって,一ヶ月たった今ではだいたい20前後の確認で済んでいる。だから「あれなんだっけーわかんねー。いいや,見ちゃお」と時間をかけてやっても,数分で済む。
俺が今使っている単語帳では,地図上で国が色分けされて首都とともに示されて,国名がわかるかどうかってのをチェックしてくんだけど,案外この色で覚えちゃう場合が多い。水色ってことは,,Togoかな,とか。笑
だから正直,白地図だけを示されて当てられるかは全然自信がない。
と,同時にそれはこの単語帳を使う時の限界として引き取っておいて,あとはニュースを見聞きする中で個別の国に対する情報を増やして,色付きの単語帳以外からも覚えるようにすれば,きっと自然に各国に対する知識がもっとついていくんじゃないかなーと想像(期待)している。

それはそうと,現在暗記アプリ開発者と組んで学校向けアプリの開発をしていこうかと計画中。他の学校の先生でも,たとえば1人1台タブレット,なんて実現している学校の先生にとってはかなり面白い話だと思いますので,お声掛け頂ければと思います。

*1:きっと大学受験生の頃は覚えたはずだから,正確には「もう覚えてないの??」か。まあ,どちらにしても。笑

*2:僕はiPhoneユーザーなのでしっかり3,000円払いました。一番使っているアプリなので,買って損はなかったと思います。

*3:うさんくさい文言だ!笑

*4:最初は「さらに便利なのが」と書いていた。それだと上乗せする感じで,「あわせて」なら並べる感じね。なんか考え方が英作文的な気はするけど。笑